ただいまだに民主国家の「軍隊」としての情報開示レベルには達していません。納税者への情報公開を通じた透明化がなければ調達改革は進まないし、また増額した予算を有効に使えません。

更に申せば、ぼくは防衛費が5年後に2倍になるとは思っていません。今後金融緩和飲み直して金利が上がればいままでのようなコスト意識ゼロのばらまき政策は不可能になります。国債の償還費用も膨らんでいきます。そのような環境で防衛費を2倍にすることは不可能でしょう。せいぜい現状の1.2〜1.4倍ぐらいがいいところではないでしょうか。それを実現するのも大変だと思います。下手にこの5年で増額してあれこれ玩具を買うと、その維持費が、防衛費を減額されたときに重くのしかかってきます。

それから岸田総理がウクライナ訪問して引っ殺傷装備の供与とか寝言いっているみたいです。それって、たとえは悪いですが、号館の共犯者が俺は手足を抑えていただけで強姦していない、とか弁明するようなものです。

非殺傷兵器ならばE-2Cも供与していいんかい? という話になります。

いい加減こういうDSEIで違法デモやっていたプロ市民みたいな議論を政治家がするのはやめてほしいものです。

【本日の市ヶ谷噂】 陸自の共通戦術装輪車の開発は三菱重工がシステムインテグレーションでもたついて、開発が著しく遅れているが、過日調達したサンプルのタレスの120ミリ迫撃砲までこわしちゃった、との噂。

Japan in Depthに以下の記事を寄稿しております。 防衛大学、任官拒否者を卒業式から排除の安倍政権の悪習を是正

編集部より:この記事は、軍事ジャーナリスト、清谷信一氏のブログ 2023年3月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、清谷信一公式ブログ「清谷防衛経済研究所」をご覧ください。