先週のDSEI Japanに三日間、ホテルに泊まって張り付きで行っていました。

過去日本のショーでこれだけフルに行っていたことはなかったのですが、防衛費の大幅増額と、そろそろ外国のショーに復帰するためにリハビリを兼ねてでした。

本当は5月のイスタンブールのIDEF2023にいく予定でしたが7月に延期となり、しかも政治的な混乱で開催はやばいとの噂も伝わってきており、それはDSEI Japanに出展したトルコの企業の方も肯定していました。

今回あちこちで聞いたのが、降って湧いた予算増で何を買っていいのかわからない、という贅沢なお話でした。この増額によって、今まで買えなかったようなサンプルを買えるようになったのはいいことですが、反面に金が余ったと不要な買い物をして後で維持費が重荷になるようなことも多発するのではと思いました。

それからネットワーク関連や無人プラットフォーム関連の出展社からは、電波の周波数帯の見直しが進まないのが頭痛の種だと多くの人が言っておりました。これについては現在防衛省ではまともに総務省など関連省庁と対策を講じている雰囲気はありません。

それに広域多目的無線機など通信速度が他国の数分の一しかないので、音声と静止画像だけです。エルビットのブースでは既に他国ではデータでの通信が主である、音声だとミスが発生し易いし、そもそも例えば砲兵でも各砲は送られてきたデータにあわせて射撃するだけです。これはぼくが10年以上も前から申し上げていることでもあるのですが、それを感心して聞いている自衛隊の人たちってどうよ? とは思いました。

エルビットは実は商社を代理店にしているだけではなく、日本エアクラフトサプライとのアライアンスを組んでいます。同社がエルビットのシステムをローカライズ含めて、提供することによって整備や改修も容易にできるというサービスを提供するようです。

率直に申し上げて、日本のメーカーにまともなものは作れません。ソナーなんぞただでさえ小さな市場をNECと沖で分け合っている。そして両社とも音響工学の博士号を持った人間がいないというレベルです。まともなソナーが開発できるわけもない。だから天下りを受け入れて使えないソナーを押しつている。

であれば外資と組んだ中小企業が日本に拠点を持つほうがよほど宜しい。

今まで黒子だった海外コンポーネントメーカーもアピールが始まっています。今回レンクグループのホルストマンが16式に採用されている統合型ダンパーを展示していました。日本製の装備でも既にこのような海外製品を多用しています。このような現実を特に、国産大好きなテクノナショナリズムな軍おたさんたちも目を向けるべきです。