海や温泉、静岡県を代表する観光地として知られる熱海市。その熱海駅の徒歩圏内に、この地の神様として古くから信仰を集めている来宮(きのみや)神社があります。
国の天然記念物に指定されている御神木の大楠(おおくす)は樹齢2100年・日本2位の巨樹。その生命力を分けていただこうと国内外から訪れる参拝者が後を絶ちません。「一周まわると寿命が一年延びる」と、今や静岡はもとより、日本屈指のパワースポットとも言われる神社をご紹介します。
目次
1300年前からの多くの逸話を残す来宮神社
本殿から弁天岩と御神水へ
1300年前からの多くの逸話を残す来宮神社
来宮神社は熱海駅からは徒歩20分、一つ先の来宮駅からは徒歩5分という立地にあります。
神社は全国で8万社以上あり、信仰により様々な系統に分かれます。最も多いのが八幡さまをご祭神とする八幡神社、それに次ぐのがお稲荷さまの稲荷神社、総大社の京都伏見稲荷大社の千本鳥居は世界的にも有名です。そしてお伊勢さんで知られる伊勢神宮も大きな系統となります。
その系統で言うと、ここ来宮系統も全国に44社あり、この熱海来宮神社がその総社です。
来宮神社の正確な創建時期は定かではありませんが、公式サイトではこのように説明されてます。今からおおよそ1300年前に熱海湾で漁師の網に木像がかかりました。そこに童子が現れ「私そこは五十猛命(イタケルノミコト)である」と、自分は天照大神の弟神のスサノオノミコトの子であると名乗ったそうです。そして「この熱海の地に、七本の楠が立つ静かな地があるから私をそこに奉りなさい。そうすればこの地の人々を護ってあげよう」と。そこでこの地の人々が探し当てたのがこの熱海来宮神社の場所だったとのことです。
また平安初期に活躍し、桓武天皇に征夷大将軍に任命された坂上田村麻呂の逸話も残されています。坂上田村麻呂は陸奥の蝦夷征伐(えみしせいばつ)で大きな功績を残したのですが、この東北の戦の勝利を来宮神社に祈願していたのです。更には来宮神社の分霊を東北地方を始め、各地に鎮座させていったという言い伝えもあります。
本殿から弁天岩と御神水へ
大きな鳥居から参道に入り、手水舎で心身を清めたら、先ずは本殿へお参りをしましょう。来宮神社は来福や縁結びだけでなく、禁酒や禁煙のような「断ちもの」にもご利益があると言われてます。
本殿をお参りしたら、近くの弁天岩から拝観するとよいでしょう。神々が宿っているとの言い伝えの通り、巨大な岩には蛇神様がとぐろを巻いて、その下の池では美しい鯉が泳いでいる神秘的な場所でした。
この弁天岩の脇の小さな鳥居を上がると七福神の一人・金運、縁結び、芸能など様々なご利益の神として知られる弁天様にお参りすることができます。ここも人気のスポットで多くの人が並んでおり、小さな社は一人だけしか立つことができない特別な空間でした。
更に入口の鳥居の方へ戻ると、御神水があります。お水取りをお願いする場合は初穂料1,000円を納めます。お水取りというの自分の吉方位の寺社から霊水をいただき、その御神水によって心身を浄化させ、運気を向上させるという日本では古くから行われている神事。御神水は飲んだり、お風呂に入れたり、様々な方法で自分の体に取り入れることができます。