相手を変えようとしない

×「コントロールできないこと」に労力を割く
〇「コントロールできること」に集中する

世の中には、「コントロールできること」と「できないこと」があります。仕事の速い人は、自分でコントロールできることにフォーカスします。

たとえば、直感派か論理派か、慎重か大胆か、気づかいするかしないか、といった性質や得意なことなどの相手の内面的な部分は、コントロールしづらいものです。

相手を変えようとするのではなく、「違うからこそできることはないか?」と発想を転換するのがおすすめです。慎重派の人に資料を任せて、大胆な人がどんどん顧客にアプローチするなどと分業することで、より大きな成果につながるものです。

また、顧客が企業の場合、その企業の中のルールも変えられません。ある企業の書類手続きのルールが非効率であったとしても、外部の人間が変えることは難しいでしょう。相手のルールにそって臨機応変に動くほうが、プロジェクトがスムースに運びます。

同じように、すでに起こってしまった過去の出来事も変えられません。頭を切り替えて、次に向けてどう行動するかを考えたほうが生産的です。「コントロールできるか、できないか?」を考え、コントロールできないことについては、相手を変えようとするのをやめて、

ほかのアプローチを考えましょう。自分がコントロールできることに集中し、よりよい成果につなげていきましょう。

ここまで、タイムパフォーマンスが高い人の仕事の取り組み方を紹介しました。いつかやらなければいけない仕事ならば、「すぐやる」ことを徹底して成果につなげていきましょう。

本書には、対話やメール、資料づくりなど、いますぐに実践できるポイントを多数掲載しています。101の時間術の中で、できることから取り組み、自由に使える「サボる時間」をつくりましょう。

<著者プロフィール>

理央 周(りおう めぐる)
マーケティングアイズ株式会社
代表取締役

関西学院大学専門職大学院
経営戦略研究科教授。

本名:児玉 洋典。1962年生まれ。 静岡大学卒業。大手自動車部品メーカー、フィリップモリスなど を経て、米国インディアナ大学にてMBA取得。アマゾン、 J:COM、マスターカードなどで、マーケティング・マネジャーを 歴任。2010年に起業し翌年法人化。収益を好転させる中堅企業向 けコンサルティングと、顧客視点を育てる社員研修を提供。『売 れない問題 解決の公式』『「なぜか売れる」の公式』(ともに日本 経済新聞出版)『仕事の速い人が絶対やらない時間の使い方』(日本実業出版社)など著書多数。