仕事で成果を生み出す秘訣は「サボる時間」をつくることにあります。「サボる時間」とは、一見仕事をしていないように見えるけれど、成果につながる自由な時間のことを指します。
「忙しすぎてサボる時間はつくれない」と思った方もいるかもしれませんが、実は違います。「サボる時間がないから忙しい」のです。
今回は、理央周さんの新著『なぜ、サボる人ほど成果があがるのか?「仕事の速い人」になる時間術101』から「サボる時間をつくるための工夫」について紹介します。
タスクを管理することが時間管理より先
×「時間」を管理する
〇「タスク」を管理する
「あれもこれもやらないといけないのに時間がない」
こう悩むビジネスパーソンから、「どうすればうまく時間管理できますか?」「スケジュール管理には、どんなアプリを使っていますか?」という質問をよくいただきます。
ここで発想を転換しましょう。仕事で成果を生み出す秘訣は、「時間を管理する」より「タスク(やるべきこと)を管理する」ことが先であると、私はいつも答えています。
確かに、「時間管理」の本来の意味合いは、仕事を効率よく進め、成果を生み出すことにあります。
しかし、時間の使い方から先に考えると、やるべき仕事に優先順位をうまくつけられていません。そういう人にかぎって、デバイスやアプリなどのツールに頼りすぎていることが多いです。
つまり、「手法」に振り回されてしまっているのです。仕事において、ツールはあくまで手段にすぎません。目指すところは、重要なタスクを完了させて「成果を生み出すこと」なのです。
スピーディに効率よく成果を出すには、タスクの「重要度」と「緊急度」を同時に考え、優先順位をつけて、段取りをすることです。
タイムパフォーマンス(タイパ、時間対成果)をあげる秘訣は、時間よりタスクに注目することに尽きるのです。
「タスクが先、時間はあと」が大原則です。
「成果につながる仕事」に時間を使う
×「作業」で時間に追われてしまう
〇「価業」に集中して成果を生み出す
タスクの重要度を見極める秘訣は、仕事を「作業」と「価業」に分類することです。分類する基準は、「その仕事で生み出す価値が高いかどうか?」、わかりやすくいえば「成果につながるかどうか」です。
手を動かしてこなす仕事を「作業」、頭で考えて成果を生み出す仕事を「価業」と私は呼んでいます。
「作業」は、誰がやっても大きく成果が変わらない仕事です。例えば、郵送物の発送、単純な入力作業などは、誰がやっても成果は大きく変わらないでしょう。
こうした作業で時間を追われてしまっては、高い成果を生み出すことはできません。作業は、高速化・効率化して「速くやる」、他人に任せるか、発送会社に依頼するなどして「やめる(やらない)」などの選択肢を検討しましょう。
「価業」は、成果に直結する重要な仕事です。私の場合、「クライアントの戦略のプランニング」「研修のための資料作成」「書籍の企画づくり」は、自社の売上や成果に直結するので、価業にあたります。企画・計画・商談などの関連業務は価業に分けられます。
念のために伝えておくと、決して「作業」を軽視しているわけではありません。タイパを意識して、「作業の時間をできるだけ減らし、価業の時間をより増やすためにどうすればいいか、より集中するためにどうすればいいか?」を検討することが大切なのです。