「ポンジ・スキーム」というワードは、あまり一般的ではないかもしれない。詐欺の手法の一つで、ポンジ・スキームに引っかかって大きな被害・損失を被る人が後を絶たない。

昨年から今年にかけて、1万人以上から総額700億円規模の資金を集めた企業の手法に対してポンジ・スキームの疑いがかけられており、出資者への払い戻しが滞っていることで世間を騒がせている。

被害を受けて初めてポンジ・スキームという詐欺があることを知っても手遅れなので、今すぐ確認しておこう。

そもそも「ポンジ・スキーム」とは?

ポンジ・スキーム(Ponzi scheme)について、日本弁護士連合会は「詐欺的商法の一種」と表現している。

ポンジ・スキームにはある仕掛けがあり、それを加害者側(詐欺を行う側)と被害者側(詐欺の被害を受けた側)の視点で見ると、全体像がつかみやすい。以下はあくまでポンジ・スキームの一例だが、典型例なので知ってほしい。

加害者側(詐欺を行う側)から見たポンジ・スキーム

  1. 「お金を預けてくれれば、資産運用による高い利回りでお金を還元する」と個人に持ちかける。
  2. 多くの個人からお金を集め、その一部を配当金などとして個人に戻す。
  3. 実際には預かったお金を運用せず、集めたお金の一部から配当金を出すだけ。
  4. 最終的にはお金を預けてくれた個人に元本を返さず、途中から配当金も出さず雲隠れする。
  5. 詐欺を行う側には大きなお金が残る

被害者側(詐欺の被害を受けた側)から見たポンジ・スキーム

  1. 定期預金や株式投資よりも高い利回りの投資案件を知る、もしくは教えてもらう。
  2. 「年利50%」「月利5%」といった高い利回りに魅力を感じ、お金を預けることを決める。
  3. お金を預けてからしばらくは計画どおりに配当金を受け取ることができ、「投資して良かった」と思う。
  4. しかし、途中から配当金の支払いが滞るようになり、投資した元金を返してもらおうとしても、関係者と連絡が取れなくなる。 5.結局元金も返してもらえず、配当金ももらえず、大きな損失が残る。