欧州に広がるアヤックスの選手たち
アヤックスが最後にCLを制した1995年、オランダ代表はほぼアヤックスの選手で構成されていた。GKエドウィン・ファン・デル・サール(1995-2008)、DFマイケル・ライツィガー(1994-2004)、DFフランク・デ・ブール(1990-2004)、DFダニー・ブリント(1986-1996)、MFロナルド・デ・ボア(1993-2003)、MFエドガー・ダービッツ(1992-2005)、MFクラレンス・セードルフ(1994-2008)、FWパトリック・クライファート(1990-2004)、FWマルク・オーフェルマルス(1993-2004)といった顔ぶれで、9名が全てアヤックスの選手だった。
また同クラブのアカデミー卒業生達は、国内クラブに所属後、高確率で他欧州諸国のトップリーグクラブへ移籍を果たしてきている。つまりアヤックスはオランダ国内で成績優秀選手を最も多く育成し、EU圏内トップクラブへ輩出している。その優秀ぶりは2012年時点で最高クラスとされた。
現在もその流れが続いており、2022年10月発表のアヤックス公式ニュースでは、アカデミーを卒業した81名もの選手達がヨーロッパのトップの大会で活躍し、その数は欧州諸国で最高峰であり2年連続で1位とのことだ。
更にはオランダ国外でのアカデミー開設にも力を入れていて、2011年にはギリシャに、国外初のアヤックス・ヘラス・ユース・アカデミーを開校。以降ギリシャとキプロスで、合計15のユースアカデミーを開催している。2021年には、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイにプライベートアカデミーを開設。主に5歳から15歳までの少年少女を対象にした育成施設で、同クラブ専属常駐コーチ3名により主にトレーニングに重点を置いたプログラムとなっているようだ。
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充実のアヤックス・アカデミー構成
アヤックスはアカデミーを通じて、まだ隠れている可能性や才能を持つ子供達に、同クラブのプレー方法を体験する機会を提供することを掲げている。常に攻撃的で創造的なプレーをして勝利を目指すことで、将来はCLなどトップレベルの大会で戦える選手の教育や育成を目標としている。
アカデミーの構成は、ユースアカデミー、キャンプ・クリニック、A1(アヤックスジュニア)、アヤックス2(ヤングアヤックス)、アヤックス・コーチングアカデミーと、大きく5段階。全てのコースでファーストチームと同様のトレーニングが組み込まれており、仮にアカデミーからファーストチーム入りしても選手は抵抗を感じずにスムーズに馴染むことができるようだ。
ユースアカデミーは、5つの区分の中でも最も敷居が高く、人気も高い。完全スカウト制での加入となるため、個人で自由に申し込みなどすることはできない。そのチャンスが得られた暁には、次に待ち受けているのがA1やアヤックス2。更に複雑なトレーニングの段階を踏んで、最終的にファーストチーム入りを目指す。
キャンプ・クリニックというのは、子供を対象にした夏季限定のサッカーアクティビティ。イングランドやスコットランド、UAEでも開催されていて、実際にファーストチームの選手達を指導しているトレーナーによる本格的なトレーニングを体験することが可能だ。人気のコースのため、現時点で既にいくつかの今年のキャンプは満席という状況となっている。
アヤックス・コーチングアカデミーは、その名の通り監督業を目指している人や、クラブ運営などに関して学びたい人向けの内容になっている。クラブ哲学やサッカーに関する専門知識などを研究し学ぶのだが、嬉しいことに世界中どの地域に住んでいてもインターネットを介して、ウェビナーの様な仕様で学ぶことが可能だ(内容によって異なる場合も有り)。
非常に内容が凝縮されているため、ここで全てを紹介することは難しいが、興味がある方はアヤックス・アカデミーの公式ホームページで詳細情報をチェックしてみよう!参加に必要なことなどを問い合わせることも可能だ。