齢46。おとうさん、旅に出ます。旅に出ると言ってもそこは世帯主、半年も一年も行けるわけじゃありません。ちょっと遠くまで3泊4日のショートトリップ。でもそこには危険があり、冒険があり、出会いがあります。アラフィフチャリダーが行く北海道小旅行第三夜、スタートです。
目次
01.歩道を走る?車道を走る?
02.旅は速さだけじゃない
03.お腹空いたけどお店がない。公園でインスタント麺を食す
04.なんも家ねぇ~
05.苫小牧到着
歩道を走る?車道を走る?
大きな国道に出た。国道36号線だ。
国道36号線は道南の太平洋側を通る、札幌と函館を結ぶ大動脈。
これから向かう白老(しらおい)には日本製紙があるので、大型トラックもたくさん通る。
そのため道路はよく整備され、路側帯も広い。よって自転車で路側帯を走ってもなんら怖くない。
けれど、目的地である札幌の秀岳荘は、どんなにゆっくり行っても2日あれば着く。
だったらよそ見しながら、脇道それながらゆっくり行こうと、歩道を走ることにした。
自転車は軽車両なので、車道左側を走るのが原則だが、北海道の田舎道で歩行者とぶつかる危険性は少ない。
むしろ人とすれ違う可能性が少ない。
人がいたら自転車を押すなり車道に出るなりして対応しよう。
旅ではその柔軟性も大切だ。
旅は速さだけじゃない
36号線は苫小牧まで車でいつも通っている。
ルートは完全に頭に入っているし、この先に何があるかまで把握している。
はずだった。
いつも車の中から見ているはずの景色が、いまは全く違って見える。
目線の高さもあるだろう。
そう。風を、においを、光を感じるのだ 。
向かい風の時は息も絶え絶え、海のにおいを胸に吸い込み(時に牛舎の臭いにむせ返り)光の眩しさと暖かさを全身で感じる。
これは屋根と外壁に囲まれて、猛スピードで通り過ぎていては気付かない、気付くことの出来ないものだ。
車や新幹線、ときに飛行機での旅もいい。
けれどこうして自転車で旅をしていると、移動速度と旅の充実度は反比例するのではないかと考えたりする。