令和5年4月から、年金制度が一部「繰下げ申出みなし制度」として改正される。この繰下げ申出みなし制度とは、いったいどのようなものなのだろうか。年金の繰り下げ制度をおさらいしながら解説する。

そもそも年金の繰下げ制度とは?

繰下げ制度は、年金の受け取りを65歳よりも後に遅らせることで、遅らせた期間だけ年金の増額ができる制度だ。

1ヶ月単位で繰下げが可能で、1ヶ月あたり0.7%年金額が増額される。最長で75歳まで遅らせることができ、75歳まで繰下げた場合は84.0%も年金の増額が可能だ。

例えば、65歳時点で老齢基礎年金を満額の77万7,800円受け取れる場合、75歳まで繰下げると143万1,152円に増額される。

また、増額した年金額は一生涯受け取ることができる。