東日本大震災から12年目を数える今日14時から「東日本大震災12年 Nスタ つなぐ、つながるSP“いのち”」(TBS系)が放送される。番組では、津波によって甚大な被害を受けた宮城県石巻市から、生放送で被災地の”今”を生きる人々の声が取り上げられる。

 数十年以内に首都直下地震、南海トラフ地震の発生が高確率で予想されているが、最先端の技術をもってしても現段階では具体的な日時までを予測することはほぼ不可能。日頃から通信手段が途絶えた際の家族との集合場所を決めておくなど、いざという時のために話し合っておくに越したことはないが、犬や猫を飼う人々にとってはペットもまた大事な家族の一員だ。

 残念なことに被災地では、ペットが置き去りにされたまま死んでしまうケースが少なくなく、飼い主たちの心中は察するに余りあるが、しかし一方では、野生の勘とも言うべきか、素早く地震を予知し、震災の被害から飼い主の命を守った例が世界中で報告されているという。

 2018年に掲載したものから、災害時にペットに助けられたという報告例をまとめた記事を再掲する。 いずれ発生するといわれている大地震に備えて、この機会に愛するペットとともに生き抜く方法を考えてみてはいかがだろうか。

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※ こちらの記事は2018年3月10日の記事を再掲しています。

東日本大震災から12年… 災害時に飼い主を助けたペットたちの事例
画像は「ANNnewsCH」より引用(画像=『TOCANA』より 引用)

 7年前の東日本大震災では、人間のみならず多くのペットたちも命を落とした。避難所でペットが受け入れられないため、被災地に置き去りにされて死んだ動物は数え切れない。ほとんどの家庭において、今やイヌやネコは家族同然だ。断腸の思いで諦めたという被災者の気持ちは察するに余りある。しかし一部には、大災害をペットとともに生き抜くことに成功し、そればかりかペットに“助けられた”という事例まで報告されている。危機的状況の中で大切なペットを助け、そして飼い主もペットから助けられるためには何が必要なのか、じっくり考えてみたい。

大震災でペットはどのように扱われてしまうのか

 現在、日本でペットとして飼われているイヌは約900万匹、ネコは約950万匹。単純計算すると、全国で5~6世帯に1匹ずつイヌかネコが飼われていることになる。これだけ多くの人々がペットと暮らしていれば、大災害の時にどう扱うかは大問題だ。

 阪神・淡路大震災(1995年)では、イヌやネコの持ち込みが禁止されている避難所が多かった。その後、新潟県中越地震(2004年)、東日本大震災(2011年)などを経て状況は少しずつ好転し、熊本地震(2016年)では多くの飼い主がペットとの同行避難が可能だったという。しかしそれでも、世界有数の地震国であり災害対策で最先端にあるべき日本で、まだまだペットと災害に対する無理解が蔓延っている状況だ。

東日本大震災から12年… 災害時に飼い主を助けたペットたちの事例
画像は「ANNnewsCH」より引用(画像=『TOCANA』より 引用)

 たとえば東日本大震災の発生後、NPO法人「SORAアニマルシェルター」の二階堂利枝氏は被災動物シェルターを開設し、取り残されたイヌやネコたちを保護していたが、現地で遺体を捜索している人たちの前で「飼い主とはぐれたペットを探している」と話すと“白い目”で見られるなど、積極的に捜索できるような状況ではなかったという。

災害時に飼い主を助けたペットたち

 災害発生時には、やはり飼い主がペットを助けることが最重要かつ当然だ。しかしその一方で直接的・間接的に、ペットに人間が“助けられる”ケースもあることは、あまり知られていないのではないだろうか? 以下に事例を紹介する。