実際に「Vanquish」を体感

タイミングが良かったのか、すぐに順番が回ってきた。「少々お待ちください」とスタッフが機械でラインを巻き戻していたが、ラインが逆に巻かれる=キャスト時のラインの放出である。旧モデルと同時に巻かれていくので比較すれば一目瞭然!機械で巻かれているとはいえ、その差は歴然!放出されているラインのバタつきは全然違う。

スプールへの巻かれ方でこれだけ差が出るとは思ってもいなかった。スタッフの方にも話をしたが、そこに目を付けるとは、という感じでビックリされてしまった。

巻き心地はというと、「巻けるけど、ちょっとしんどいか?」という旧モデルに対して、「いや、全然巻ける」という新モデル。ピニオンギアとドライブギア・メインシャフトの変更からの恩恵であろうか。

いろいろ説明を聞きながら体感してきたが、最後にスタッフから一言。「スプールが低速で動いて、平行に巻かれるのはお解りいただけたと思いますが、ラインを巻いたとき、きれいに色分けされて巻かれていきますよ。見た目もきれいという声もあります。」と。

ラインといえば大抵10mごとか25mごとに色分けされているが、新しくラインを巻いても、ぐちゃぐちゃっと巻かれているであろう。だが、平行にきれいに巻かれていくのであれば、慣れれば手元である程度ラインがどのくらい出ているかわかることが想像できる。きれいに色分けされたラインがきれいに巻かれていくのだから視覚的にも気持ちがいい。衝撃的な印象を覚えたまま、その後はダイワブースへ。

DAIWA 「AIRITY」

ダイワもシマノに負けないくらいの賑わいであった。その中でも人だかりができていたのは「AIRITY」のブースであった。これまでは「LUVIAS AIRITY」の名称で販売されていたが、今回はハイエンドモデル「EXIST」の技術が搭載され、新たに「AIRITY」の名称で登場。

「フィッシングショー大阪2023」で『ヴァンキッシュ』と『エアリティ』を比較してみたエアリティー(提供:TSURINEWSライター笠野忠義)

当初、2001年発売の「TOURNAMENT AIRITY」もとても人気機種であたことを今でも覚えている。その10年後に発売された「LUVIAS AIRITY」。どちらも軽量リールで名高い「LUVIAS」がベースとなった機種であったが、今期発売の「AIRITY」はAIRITY単独の機種。デザインもLUVIASをにおわせない雰囲気。私の主観的な意見にはなるが、ボディーは16CERTATEと21LUVIASかけ合わせた印象。

ハイエンドモデルより軽量

当然のことながら、このAIRITYにも搭載されているが、昨年発売されたEXISTで打ち出している「AIR DRIVE DESIGN」という、ローター・スプール・ベール・シャフトと設計を見直されたデザインが盛り込まれている。その恩恵から、前作のLUVIAS AIRITYと比べても2500番で5g の軽量化を実現。同番手のEXISTと比べても10gもの差がある。

ローターの形状は、今までのローターのデザインと比べると、なんとなくガチっとした印象を受け、どうなのか?と思うが、実際巻いてみると……印象を覆すような軽快な巻き心地であった。ワンピース形状なので、モノコックボディーのように、自重の妨げになるものを削除して、軽量かつ剛性が上がったと解釈すればよいだろうか。