聖なる森と滝

マンの中心部から北西に向かうと、マンの人々が大切崇めている、べプロウ(Gbêpleu)と呼ばれるモンキーフォレストがあります。この森は、細いフェンスで外径を囲ってあるものの、人々の居住地に隣接し、猿と人々が共存する空間を作り出しています。森は神聖な場所であるため、入ることが禁じられていますが、フェンスの外から猿を見ることができます。

18の山々に囲まれた街で、コートジボワールの「歯」に登ってみませんか?
(画像=『たびこふれ』より 引用)

すぐそばには、人口の密集する街があります。

猿が姿を現さない時には、近くの村人に声をかけると、猿を呼ぶ笛吹きを呼んでくれます。また、バナナなど猿を呼び寄せる餌を購入することもでき、猿に手渡しで餌をやるという貴重な経験もできるのです。

18の山々に囲まれた街で、コートジボワールの「歯」に登ってみませんか?
(画像=『たびこふれ』より 引用)

マンを訪れる際に、ぜひ訪れて欲しいのは、近隣の山々から流れる水を通過させる壮大な滝「la cascade」です。雨季の直後(5月から11月にかけて)は、高低差が約20メートルもある滝を激しく水が流れ、暑さでうだる体をリフレッシュさせることができます。

近年では、気候変動の影響もあり、5月になっても滝が干上がっていることもあるようで、水が無い期間には閉鎖されてしまいます。滝の近くには青々しい竹林があり、色とりどりのトンボや蝶の住処となっています。

18の山々に囲まれた街で、コートジボワールの「歯」に登ってみませんか?
(画像=『たびこふれ』より 引用)

2021年5月中旬訪問の際には、3つある滝のうち2つが干上がっていました。

名産品、黒檀を使ったアフリカンアート

マンの名産品として有名なものは、前述の通り、コーヒー、カカオ、キャッサバといった農作物が中心です。農作物以外で国際的に有名なものに、黒檀(現地ではエボニーと呼ばれる)で作られたマスクや置物があります。黒檀は古代から高級家具や楽器などに用いられ、漆黒〜褐色の色をしており、マンではこれを用いて儀式に使うお面を作るのです。

毎年9月には、森の魂を崇めるお祭り「la fetes des masques (マスクの祭り)」がマンで行われます。このお祭りでは、村で一番ダンスがうまい人に選ばれた者が、村に代々継承されるマスクをつけて踊りを披露します。

この伝統的な儀式を見たい場合には、デウレ(Deoule)村の役場に問い合わせることで、訪問のアレンジもできるそう。目が閉じているお面は男性用、目が開いているお面は女性、という違いがあるお面は、このお祭りの時のみ使用されるとても神聖なものです。黒檀で作られたこのお面をモチーフにしたキーホルダーや、アフリカの動物たちを模した置物などが、マンでは手作りで生産され、首都アビジャンや周辺各国に向け輸出もされています。

18の山々に囲まれた街で、コートジボワールの「歯」に登ってみませんか?
(画像=『たびこふれ』より 引用)