慌てている様子に対して用いられる「てんてこ舞い」。
この表現はどのような意味を持つ言葉なのか、そしてその成り立ちなのか、という点についてここでは解説していきます。
併せて「てんやわんや」や「きりきり舞い」との違いについても説明していきますよ。
「てんてこ舞い」とは

(画像=『FUNDO』より 引用)
まずは「てんてこ舞い」という表現について見ていきましょう。
「てんてこ舞い」の意味
「てんてこ舞い」は、慌てふためいて騒ぎ立てることを意味します。
忙しく動き回っていて休み暇もない、そんな状況をあらわすこともあります。
物事を処理するのに忙しく、善し悪しの判断や工夫を考える間もなく目の前の事態に追われている、そんな状況に対して用いられます。
「てんてこ舞い」の由来

(画像=『FUNDO』より 引用)
ここからは「てんてこ舞い」の成り立ちについて見ていきましょう。
お囃子などの音から来たとする説
「てんてこ舞い」は、祭囃子や里神楽の小太鼓の音の擬音語となる「てんてこ」から来たとする説があります。
お祭りのときは、お囃子や楽器の音に合わせて舞います。
そんな慌しい様子を、休む暇もなく動き回っている様子に例えた表現とされています。
「手古舞」から来たとする説
「てんてこ舞い」は、「手古舞」から来たという説もあります。
この「手古舞」というのは、山王祭や神田祭といった江戸の街で行われた祭礼で山車の先を進み露払いや警護を行っていた鳶職のことです。
その際、木遣(きやり)という民謡や祭礼の唄ともなる作業歌を歌って練り歩いていたとされます。
後に、氏子の娘などが男装した山車や神輿を舞いながら先導するようになりました。
この常に先頭に立つ様子から、忙しく動き回っていることを言うようになったともされています。