防衛省の「有識者会議」の有識者は得てしてこういう現場レベルの話を知りません。
当然ですがFMSの場合も同じことが起きます。しかも米軍が優先されるので、自衛隊向けの供給は更に後回しになることになります。
対策としては当初に消耗部品を多めに発注することです。それが結果として一番安い選択になるでしょう。それからAH-64Dなどのように、生産末期になって駆け込みで採用するみたいな間抜けな調達はやめるべきです。
それからイージスシステムなど代用の効かないもの以外の装備は極力、FMS以外、米国以外で調達すべきです。例えば同じ機銃があるならばFMSではなく、ベルギーのFN社から調達すべきです。AAV7やオスプレイ用の機銃はFMSで調達されているはずです。
わざわざ高いコミッションを国防総省に払って、レスポンスの悪いFMSを使用するべきではありません。
長期に使うコンポーネントはオフセットとして日本のメーカーに受注させる手もあるでしょう。その方が米国企業よりも長期に安定して、安価に供給が可能でしょう。そういうことを米国防総省や米軍に働きかけるべきだと思います。が、装備庁にそういう知恵が回る人材はいないかと思います。
また国産装備にしても米国製のコンポーネントを避けるようにすべきかとも思います。
■本日の市ヶ谷の噂■ 自衛隊ではサングラスを着用するのに着用許可がいり、眼科医の診断書が必要。まるで俺らは中学生か、と隊員から不評、との噂。
編集部より:この記事は、軍事ジャーナリスト、清谷信一氏のブログ 2023年2月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、清谷信一公式ブログ「清谷防衛経済研究所」をご覧ください。