肉厚なパラソル級ヤリイカは抜群に人気が高い。そこで、立春の2月4日(土)、茨城鹿島新港の桜井丸を訪れた。
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(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版 APC・大村隆)
桜井丸からヤリイカ釣り
この日も多くのファンが詰めかけ、大型船の2隻出し。私は18人のファンとともに、櫻井正雄大船長が舵を握る27号船に乗り込み、左舷ミヨシに座る。
5時に桟橋を離れ、釣り場のカンネコ根へ。晴れているが少し北東風が吹いていて、海上は波が高い。煌めくコンビナートの灯が次第に遠ざかり、航程60分でようやく薄明るくなってきた釣り場に到着。潮回りに入ると、すぐに反応をとらえ、「はい、始めましょう。水深は135m」との合図。
基本の釣り方
久しぶりのイカ釣りで、手前マツリでもたつく間に、「右舷でパラソル級の一荷が上がりました」と船長の景気づけのアナウンス。
ようやくマツリを解き、オモリを前方へ投入。オモリが着底したらイトフケを取り、竿先を目線の高さまでゆっくりシャクリ上げて2秒のポーズを入れる。そして、頭上まであおり上げ、同様にポーズを入れる。
船長は常に魚探を監視していて、反応が消えると小移動。新たな反応を追い求める。
パラソル級トリプル
隣席の志田武猛さん(船橋市)が、湾曲を描く竿を抱えて巻き上げに入る。取り込んだのはパラソル級のオスとメスの本命一荷。「好調ですね」と声をかけると、「ヤリイカは去年始めたばかりですが、独特の釣趣があり、すっかりハマっています」と笑顔のコメント。
「反応が浮き気味になったから7、8m上まで探るように」との船長のアドバイスを受け、誘いの動作を繰り返しながら上ダナまで探ると、ポーズの間に竿先にファッとアタリが出た。ソフトにあおると、確かな乗りの感触。
追い乗りを期待して手巻きをしていると、重厚な引き込みが始まる。ここでスイッチオン。中速よりも2段階落としたスピードで慎重に巻き上げ。身切れによるバラシを防ぐために、船が波頭に乗るときは竿先を海面へ向けてしのぐ。やがてパラソル級の本命がトリプルで上がってきた。次投でも一荷でキャッチ。
船中でも順調にヒットが続く
経験豊かな船長は「カケアガリに差しかかり、水深は128mになりました」など、底の状況までその都度アナウンスしてくれる。
左舷胴の間で竿を振る鶴見和久さん(坂東市)は、手馴れたフォームでダブル、トリプルを連発。「ヤリイカのキャリアはまだ2年ですが、ソフトなアタリをとらえて乗せたときの感触がたまらず、シーズン中は通っています」とのこと。
その隣の岡村政彦さん(比企郡)も好調。足元のオケには、ツ抜けしたヤリイカが元気に泳いでおり、「シーズンの到来を楽しみに出かけて来ました」とパラソル級の一荷を掲げてくれた。