ベニエは、フランス生まれの油で揚げて作るお菓子です。
国によって、中身に違いがあったりもします。
そこでここでは、ベニエとはどのようなお菓子なのかを解説します。
同じく油で揚げて作るお菓子のドーナツやマラサダとの違いもご紹介しますよ。
ベニエはこんなお菓子

まずは、ベニエがどのようなお菓子なのかを見ていきましょう!
フランス菓子「ベニエ」
ベニエはパン生地を油で揚げてつくる一種のペイストリーとなっています。
その名前もフランス語で「揚げた生地」を意味する”Beignet”から来ています。
ペイストリーとは、穀粉にバター、ショートニングにベーキングパウダー、卵などを加えてパイ状に焼き上げる食べ物のことです。
フランスでは、メープルシロップや果物にジャム、チョコレートなどが生地の中にたっぷりと詰められているものが多いです。
そして焼きあがったら、粉砂糖をまぶしてを食べるというのがスタンダードなスタイルとなっています。
特に焼く際に形状が定まっているわけではなく、地域によって様々な形状のベニエがあります。
ベニエと「復活祭(マルディグラ)」
ベニエは、現地で「マルディグラ」と呼ばれる復活祭でよく食されます。
マルディグラとはキリスト教の伝統的祝祭の1つです。
7日間続くカーニバル(謝肉祭)の最終日となる火曜日にあたります。
その復活祭で食べられる定番のお菓子がベニエなのです。
ベニエが食べられるのは、小麦粉や卵といった食材を無駄にしないためだったとされています。
また、復活祭後の節制生活に向けて栄養を蓄えるためにも食べられていたともされます。
ベニエにはいくつか種類がある

ベニエには、いくつかの種類があります。
ここからは、どのような種類があるのかを見ていきましょう。
原料でかわる種類
ベニエは、ペイストリーのタイプによって2種類に分けられます。
1つはシュー皮生地を揚げたものです。
これはイタリアのツェッポレや、ドイツのシュプリッツクーヘンに類似したものになります。
もう1つは、出芽酵母で膨らませたパン生地を揚げたものとなります。
フランスでは「ブール・ド・ベルラン」と呼ばれています。
これは丸い形をしており、ジャムか果物を詰めたドイツのドーナツ「ベルリーナー・プファンクーヘン」が語源とされています。
ちなみに、ポーランドのポンチキやポルトガルのボーラ・デ・ベルリンにも似ています。
国によって違いのあるベニエ
ベニエは、国によっても微妙な違いがあります。
例えば、ドイツの西部では果物の入ったものをベニエと呼びます。
果物が入っていないものはクラップフェンと呼ばれるのです。
また、アメリカのメキシコ湾近くにあるニューオーリンズ発祥のクレオール料理では、四角い粉砂糖をかけた揚げ菓子をベニエと呼びます。
このベニエは、ルイジアナ名物でもありましたし、ルイジアナ州公認のドーナツともなっています。
フランスのコルシカ島では、ヨーロッパグリの粉で作った揚げ菓子をフリテッリと呼びます。
これもベニエに似ています。