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君のためのバラ|244ページ(8編)
死神の精度|345ページ(6編)
君のためのバラ|244ページ(8編)

(画像=出典:Amazon、『男の隠れ家デジタル』より引用)
ヘルシンキ、ミュンヘン、メキシコ、沖縄……。この作品は、世界中の国で暮らす日本人と外国文化との交流がテーマの小説集だ。
世界各国を訪れた作者によって描かれており、内容が鮮明かつ具体的なので、読んでいて物語の景色が自然に想像できる。まるで、物語に登場する場所に自らが訪れているような感覚になる。
日本と外国では何が違い、何が同じなのか。異なる文化のなかで育った人同士の、なんてことのない日常から、美しい風景や印象深いふれあいまでが切り取られ、魅力的に語られている。さっぱりした文章のため、理系脳だという人こそ面白いかもしれない。
出版社:新潮社
著者:池澤夏樹
ジャンル:海外訪問
価格:572円
死神の精度|345ページ(6編)

(画像=出典:Amazon、『男の隠れ家デジタル』より引用)
どうやら、死神の世界もビジネスで回っているらしい。主人公である死神の仕事は、1人の人間に密着し、死んでよいかどうかの「可・不可」を判断することだ。
たいていの場合は「可」を出すことになるため、多くの死神は2、3日の密着で決定するのだが、主人公は7日間をかけることにしている。
ビジネスにまつわるあれこれを、人間とは少しずれた死神の視点で読むことになるため、皮肉が効いていてクスリと笑える。エンタメ小説で人気の作者が、テンポよく書く短編小説集だ。
出版社:文藝春秋
著者:伊坂幸太郎
ジャンル:ビジネス
価格:748円