普段と一味違う雪景色が楽しめる冬のウィーン。雪が降り積もった世界遺産シェーンブルン宮殿の庭園を散歩しながら、冬の見どころや歴史をご紹介していきます。

目次
シェーンブルン宮殿の庭園の歩き方
シェーンブルン宮殿へ

シェーンブルン宮殿の庭園の歩き方

シェーンブルン宮殿には入り口が複数ありますが、庭園に入るのに便利な入口はヒーツィング門です。地下鉄シェーンブルン駅の次のヒーツィング駅で下車してすぐのところに、庭園に直接入ることができる門があります。

世界遺産をのんびりお散歩。雪のシェーンブルン宮殿を満喫しよう!
(画像=<ヒーツィング門から入った木立>、『たびこふれ』より引用)

ここから入ると観光客は少なく、ジョギングする地元の人や、ベビーカーを押す人をたまに見かけるくらいで、とても静かです。まずは右に曲がり、大温室へ向かいます。

世界遺産をのんびりお散歩。雪のシェーンブルン宮殿を満喫しよう!
(画像=<シェーンブルン大温室>、『たびこふれ』より引用)

1882年の建設当時、世界最大の温室だった大温室は、ハプスブルク家が世界中から集めた植物を管理するために建造されました。その見上げるような鋼鉄の骨組みは圧巻です。内部は温度ごとに三つのエリアに分けられ、4,500種類の植物が育てられています。

この大温室からさらに奥に行くと、世界最古の現役動物園、シェーンブルン動物園への入り口があります。1752年に「女帝」マリア・テレジアの夫フランツ一世によって作られたこの動物園は、ヨーロッパ最高の動物園に過去何度も選ばれたことがある、見ごたえたっぷりの動物園です。

世界遺産をのんびりお散歩。雪のシェーンブルン宮殿を満喫しよう!
(画像=<柵の向こうに動物園のパビリオンが見える>、『たびこふれ』より引用)

この動物園の入り口付近には、日本庭園があります。この庭園を造らせたのは、後にサラエボ事件で暗殺されるオーストリア皇位継承者フランツ・フェルディナントです。彼は1892年に日本を訪問したことがあり、1913年ウィーンにこの庭園を造らせました。第一次世界大戦後の混乱で一度は消えてしまったものの、1996年に偶然発見され、日本人の監修のもと1999年に再建されています。枯山水や茶室もあり、日本とオーストリアの友好の印にもなっています。

世界遺産をのんびりお散歩。雪のシェーンブルン宮殿を満喫しよう!
(画像=<シェーンブルンの日本庭園>、『たびこふれ』より引用)

他にも広大なシェーンブルン庭園には、様々な見どころがちりばめられていて、市民の憩いの場になっています。それでは、シェーンブルン宮殿へと足を進めましょう。

シェーンブルン宮殿へ

木立を少し歩くと、泉や川の妖精ナーイアス(ナヤーデ)の噴水に出ます。ここから見えるシェーンブルン宮殿は、映像や写真で使われることも多く、有名な写真スポットにもなっています。

世界遺産をのんびりお散歩。雪のシェーンブルン宮殿を満喫しよう!
(画像=<凍ったナヤーデの噴水とシェーンブルン宮殿>、『たびこふれ』より引用)

さらに少し歩くと、広い中央庭園で視界が開け、シェーンブルン宮殿が目の前に現れます。

シェーンブルン宮殿は、「マリア・テレジアの夏の離宮」として有名ですが、始まりは14世紀に建てられたハプスブルク家の館でした。それが狩猟の館や宮殿となり、第二次ウィーン包囲の際に損傷を受けた後、17世紀後半に皇帝レオポルト一世によって再建されました。18世紀半ばになって、「女帝」マリア・テレジアが城と庭園を増築して以来、現在の形の「マリア・テレジア・イエロー」が美しい宮殿になりました。

世界遺産をのんびりお散歩。雪のシェーンブルン宮殿を満喫しよう!
(画像=<雪のシェーンブルン宮殿>、『たびこふれ』より引用)

この辺りは観光客も多く、思い思いに散歩を楽しんでいます。後ろを振り返ると、ネプチューンの噴水の像には雪が積もり、水面も凍っています。

世界遺産をのんびりお散歩。雪のシェーンブルン宮殿を満喫しよう!
(画像=<ネプチューンの噴水>、『たびこふれ』より引用)

「シェーンブルン宮殿と庭園群」がユネスコ世界文化遺産に選ばれたのは、1996年。160haの土地は、オーストリアで最も重要で、訪問者の多い文化遺産です。

世界遺産をのんびりお散歩。雪のシェーンブルン宮殿を満喫しよう!
(画像=<シェーンブルン宮殿>、『たびこふれ』より引用)