ギリシャにおいて、最も重要な祝日がイースター。2020年の東方教会のイースターは4月19日ですが、それを前にメガリ・サラコスティ(四旬節)と呼ばれる40日もの断食期間が3月2日からスタートしました。

目次
ギリシャ正教の「断食」って?
サラコスティ前の市場の様子

ギリシャ正教の「断食」って?

断食と言うと一定期間何も食べないようなイメージですが、ギリシャ正教では特定の食品の摂取を禁じるという形で行われる食事節制になります。禁止されるのは肉、卵、乳製品といった動物性のもの。そして魚もダメ。と言っても、海のものでは「血が出ない」とされるエビ、タコ、イカ、貝などは食べてもいいことになっています。

厳密には日によってオイルも禁止だったり、3月25日(聖母マリアの受胎告知の祝日)は魚がOKだったりと細かく決まっているのですが、実際は動物性食品の節制すらしない人も多いです。それでも最初と最後は肝心!という考えか、初日であるカサラ・デフテラ(クリーンマンデー)は断食メニューの料理を食べ、家族や友人と楽しく過ごします。

サラコスティ前の市場の様子

断食期間目前の土曜日、青空市場へ出かけてみました。

【ギリシャ】イースターに向けて、40日の断食期間って?
(画像=『たびこふれ』より引用)

こちら、私もよく利用するアベロキピ地区の青空市場です。シンタグマ広場からメトロのLINE3(空港方面行き)でたったの3駅のところにあり、規模が大きいのでおすすめの市場のひとつ。毎週土曜日の朝から午後3時近くまでやっています。

時期によってほんの少しだけ場所が移動するのですが、現在はDoukissis Plakentias通りです。メトロの最寄り駅はAmbelokipi 駅とPanormou駅で、どちらからも近いです。

【ギリシャ】イースターに向けて、40日の断食期間って?
(画像=『たびこふれ』より引用)

魚屋さん。普段はあまり置いてない貝類なども、この時期はよく見かけます。断食の時に食べてもいい種類のシーフードは総じて値段が高めですが、カサラ・デフテラのごちそうに、奮発して買うという人も多いです。

【ギリシャ】イースターに向けて、40日の断食期間って?
(画像=『たびこふれ』より引用)

この日、一番賑わってたのは乾物屋さん。特にハルヴァというお菓子がとてもよく売れます。どーんと大きなブロック状のものがハルヴァなのですが、タヒニというゴマペーストで作られるヌガーのようなお菓子です。空気を含ませるようによく練って作られるので、食べると細かい繊維状となったハルヴァがシャリシャリとして面白い食感。

【ギリシャ】イースターに向けて、40日の断食期間って?
(画像=『たびこふれ』より引用)

ハルヴァ以外に、豆類やナッツもよく売れていました。カサラ・デフテラの定番、白いんげん豆スープをはじめ、サラダや煮込みなどいろんな豆料理が食べられます。

【ギリシャ】イースターに向けて、40日の断食期間って?
(画像=『たびこふれ』より引用)

オリーブやピクルスは普段からよく食べますが、断食期間には特に外せないものです。

【ギリシャ】イースターに向けて、40日の断食期間って?
(画像=『たびこふれ』より引用)

青菜や野草も山積みで売られています。これは茹でてサラダやパイ、煮込みなどに。

【ギリシャ】イースターに向けて、40日の断食期間って?
(画像=『たびこふれ』より引用)

ちょっとブレましたが、ピクルスにして食べるムスカリの球根です。