社会学者の上野千鶴子氏が実際は結婚していた件が話題です。
学生時代にリベラル系の学者や活動家と接する機会があった自分としては「やはり」という感じであまり驚きはありませんでした。
学者や活動家は言っていることとやっていることが全く一致しないということがよくあります。これは日本だけではなくアメリカやイギリスも同じです。
例えば環境問題について吠えている意識高い系の人間が乗っている車がSUV、環境活動家のデモで紙のチラシを大量に配って街中がゴミだらけ、子供に健康的な食事を与えていると言い張っている人の子供が虫歯だらけで肥満、家族の価値観ガーと言い張っている政治家が不倫やりまくりなどなど。
よくある例です。私は気が短いので、アメリカ留学中に、SUVに乗っている環境活動家と大喧嘩しました。
上野千鶴子氏はこれまで結婚制度を延々と否定してきましたが、ご自身はちゃっかり結婚しており、貧しくなれと他人には言いまくってご本人は超高級タワマンに住み、高級外車でご主人のところに通っていたようです。
超肥満が指導するダイエット、ゴミ屋敷住人の指導するお方付けコンサルのようなものですね。
しかしこの件、80-90年代にとんでもないことが起きていた証拠であるわけです。
そういう偉い学者の言論を真に受けていたのが、当時は若かった私のような超氷河期の人間です。
上野千鶴子氏がメディアに登場し始めた頃、日本はバブル景気の余韻があり、世の中はアグネス論争で大騒ぎでした。テレビや雑誌、新聞小説にはやたらと不倫を推奨するものがあふれ、昼間の番組やゴールデンタイムには性を異様に強調したものがあふれていました。
私の小中高時代には「毎度お騒がせします」や「夕焼けニャンニャン」が話題でした。小中学生がテレビを見る時間帯に、ラブホの自販機がドラマの中で紹介され、司会者は女子大生に性交体験はあるかという質問をしていました。
性的なことに興味を持つことが最先端で、援助交際や不倫は、従来の権威主義的な日本の社会構造や封建主義的な家庭を否定する意味合いがあり、何か新しいことをしている様なノリだったのです。
経済力を付けた強い女は不倫をし、自由を謳歌し、結婚も子供も不要で、夫婦別姓にせよ、パートナーはいてもDINKSになれというメッセージがあちこちで流されました。
CM、雑誌記事、駅のポスター。「自由な時代」「自由な女」「強い女」「自己主張する女」というお題目です。
学校もそうでした。
こういうメッセージを発信していた学者の一人が上野氏でした。
当時子供だったり多感な中高生だった氷河期の我々の中には、何度も繰り返されるメッセージをそのまま受け取った人間も少なくありませんでした。
実際私の周囲には援助交際や、かなり年上の男と不倫をやっている子がいました。周囲に隠すわけでもなく堂々とです。
当時はそれがかっこいいものという空気があったので、罪悪感などないのです。だって大人達が良いことだといっていたから。テレビによく出るおしゃれな学者、有名大学の学者がいうのですから。何も知らない子供や若い人はそのまま信じてしまう。
さらに洗脳のように繰り返されるメッセージを真に受けて、ずるずる不倫をして婚期を逃した。
結婚は悪だと思っていた人はその後独身のまま。結婚していても仕事に集中して子供を持たないまま。
結婚は性的なサービスの対価だって言ってましたよね? 私達は真面目だから従ったんですよ。あなた達の言うことに。
一方で親達は年を取り、孫がいないことを嘆いています。