北海道の十勝平野などで栽培されている甜菜の素晴らしさについて述べたいと思います。
1. 甜菜(てんさい)とは?
甜菜(てんさい)はビートとも呼ばれる、ヒユ科アカザ亜科フダンソウ属の二年生の植物です。根部と葉部とを含む全体の形状とそれぞれの部分の色とは、大根のそれらに近いのですが、根を搾り、その汁を煮詰めると砂糖がとれます。
「甜」という漢字は、「舌でなめると甘い」ことを意味して、日本では砂糖消費量の約25%が甜菜から作られた砂糖で占められ、菓子や飲料水のかたちで全国に届けられています。
2. その理由
甜菜は北海道に天から授けられた植物のようだと思う理由を述べてみたいと思います。
甜菜は冷涼な寒冷地が栽培に適し、そのため「Boys be ambitious!」でおなじみの札幌農学校のクラーク博士も推奨しました。冷涼な寒冷地栽培に適していることは、甜菜の本質的なメリットの一つです。つまり温暖な地域の少ない国においても広い作付面積を有し得るからです。甜菜の「てんさい」という音の響きは、「天の野菜」という響きに通ずるように感じます。
現在、北海道の甜菜の国内収穫率は実質100%を誇っています。十勝平野および網走管内を中心に総面積7万haで栽培が行われ、機械化も進んでいます。
甘い物好きのヒグマが餌にしてしまわないかと調べてみましたが、関連する記事は見つかりませんでした。収穫されたままの甜菜はアクがあるそうなので食べないのかもしれません。鹿についても調べてみましたが関連記事は見つかりませんでした。ニュースがないのは、実害がないからでしょう。
動物による害がないことは、大規模栽培において非常に有利な点です。