健康意識が高まり、40代も筋トレをする人が増加。RAIZAPをはじめとしたトレーニングジムも若年層だけでなく、健康やスタイルを気にする幅広い年齢の人が気軽に通えるようになっている。ただ、筋トレは、がむしゃらに身体を鍛えればよいというものではない。正しいメカニズムで行わないと、逆効果になることもある。筋トレでやってはいけないNG行動について解説する。
筋肉がつくメカニズムとは?
NG行動について整理する前に「筋肉がつく」メカニズムいついて解説しておく。これを知ってトレーニングを行うか知らずに行うかでは効果にも違いが出てくる。
筋肉がつくことは「筋肥大」という。筋肥大は、トレーニングなどで一旦壊れた筋線維が、修復の過程で太くなることを指す。トレーニングには適度な休養と栄養補給が不可欠とされているが、この時に重要な役割を担うのが成長ホルモンだ。この休養と栄養補給をきちんと行わずにただひたすらトレーニングだけを続けていてもきれいな筋肉はつかないとされている。効率よく身体を鍛えるには、このメカニズムを正しく理解することが重要だ。
筋トレでやってはいけない「NG行動」4つ
実際に、筋トレをする際に初心者がやってしまいがちなNG行動を紹介しよう。
誤ったフォームでトレーニングしている
よくあるのが、回数や重さばかりを重視するあまり、フォームが崩れてしまうケースだ。
筋トレには目的にあったさまざまな種類がある。それぞれに正しいフォームがあり、そのフォームを正しく実践することで、目的の部位を鍛えることができるだろう。しかし、回数や重さだけを重視するあまり、正しいフォームを忘れてしまうケースも多い。たとえば、ラットプルダウンで広背筋を鍛えたいにもかかわらず、フォームが正しくないばかりに、上腕筋が先に疲労し、広背筋に適切な負荷をかけられないことなどがそれに当たる。
誤ったフォームでトレーニングを行うことで、怪我の原因にもつながりかねない。回数や重さを追うだけでなく、まずは正しいフォームを身に付けるのが重要だ。
毎日筋トレをしてしまう
筋トレが楽しくなると、毎日でもトレーニングをしたくなる、ということもある。だが筋トレをした後、筋線維を修復させることで、筋肉は大きくなるのだ。この時、筋線維が修復するのを、「超回復」と呼ぶ。
効果的に筋トレをするのであれば、筋肉に負荷をかけ、筋線維を破壊した後、2~3日間休養を与えるのが、筋肉にとって最も効率がよいといわれている。毎日トレーニングを行うと超回復が追い付かない可能性が高い。ジムに機会を多く取れるという人は、「上半身と下半身」「胸、背中、足、肩、腕」など、部位を分割して、他の部位が超回復している間に別の部位のトレーニングを行うようにしよう。
食事を極端に減らしプロテインばかり飲む
プロテイン=タンパク質が筋肥大に効果的だというのはよく知られている。しかしながら、栄養補給はプロテインだけでは不十分だとされている。炭水化物や脂質もしっかりと摂取しよう。
健康を維持していく上で主なエネルギー源をPFC(Protein Fat Carbohydrate)といい、そのバランスが取れていることこそが大切。一般的にトレーニングをしている時の理想的な栄養バランスは、
- タンパク質 除脂肪体重×2
- 脂質 推奨総摂取カロリーの25%
- 炭水化物 推奨総摂取カロリー―(タンパク質+脂質のカロリー)
と言われている。いずれにせよ、「バランスの良い食生活」を心がけるようにしたい。
筋トレ後、お酒を飲む
「トレーニングの後のビールは格別にうまい」と思う人もいるだろう。しかし、アルコールは筋トレの効果を阻害してしまうということが報告されている。お酒は、肝臓でのタンパク質の合成力を低下させたり、タンパク質の分解作用を向上させたりするなど、筋トレにとっては、悪影響をおよぼすことが多い。
お酒を完全に断つのは難しいかもしれないが、トレーニングを効率的に行うには、トレーニングの日は休肝日にするなどの工夫が必要だろう。
トレーニングをするなら効率よく
筋トレで健康な身体を手に入れる、というのは素晴らしいことだ。しかし、正しい方法で行わないと効率が悪くなるどころか、身体を痛めてしまう可能性もある。忙しいサラリーマンにとって効率のよさは重要なポイントだろう。筋トレも効率よく、スマートに行いたいものだ。
文・MONEY TIMES編集部
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