安倍晋三元総理の国葬に際して、世田谷区内の公共施設では半旗を掲揚しなかったのだが、共産党は「自分たちが区長へ申し入れたからだ」と議会で言い募った。私がこのことを質すと、保坂区長は「共産党に言われたからではない」と否定したが、はいそうですか、とすんなり納得できるわけはない。

たとえば、私や自民党会派が主張してきた、自衛隊出身者などの災害の専門家を採用する、危機管理監の新設が速やかに進まないのはなぜか。専門の外部人材を副区長に登用したのはよいが、大胆なDX(デジタルトランスフォーメーション)化への期待が急速に萎みつつあるのは、役所の労組に配慮しているからではないのか。

最近、保坂区長は得意げに「非自民首長の結束」を大々的にぶち上げたが、賛同している首長とやらは、「共産党与党リスト」に掲載されている面々なのである。

代表質問では、日米安保と在日米軍についての見解を訊いたが、保坂区長はまともに答弁せずに逃げてしまった。答えたら、お里が知れるとでも思ったのか。

いずれにせよ、共産党との不健全な関係を続けている以上、区民の信頼は得られまい。それに、“リベラル”に見せかけていても、地金は55年体制の片割れである“革新”の残党なのだから、役所のスリム化はもとより、統治機構そのものを視野に入れた抜本改革はムリである。であれば、世田谷の未来は暗い。もはや首長をチェンジする以外の選択肢はない。