仕事で変化できない恐ろしさ
変化しなければズレることが致命的になるのは「仕事」である。なぜなら仕事でズレるということは、「要らない人」になることを意味するからだ。市場は本人の都合を無視して、残酷なまでに常に変化し続ける。ニーズの満たない仕事しかできなければ、誰からも求められなくなる。
かつては服の仕立て屋の職業があったが、ミシンが開発されて仕事は激減した。当初、怒りでミシン工場に火を放ったものもいたが、結局人類はミシンを受け入れた。残されたのは活用の場を失った服の仕立て技術である。現代社会でこの技術を活用することは難しい。人類は歴史上、不可逆的にテクノロジーを受け入れてきた。それ故にこういうことが今後もドンドン起きる。
昨今、話題のChatGPTが話題でAIは単純労働を奪うポテンシャルを秘めている。専門家によっては「AIはあまりにも過大評価されすぎている」という意見がある。たしかに直ちにホワイトカラーの大量解雇の原因にはならないかもしれない。よしんばそうなった場合でも現代は世界的に人口増加の鈍化トレンドであるため、うまく活用すれば人手不足の救いの神になるかもしれない。
だが仮に、今多くの人が同ツールに向けている過剰と言われる評価がテクノロジーの進展が追いつくことで実現したなら、どうなるだろうか? たとえば情報のテキスト検索ニーズが減少すれば、関連する業界やそこで働く人達は打撃を受けることになる。
具体的に言えば、ニュースをまとめたものや、お役立ち情報記事のメディア会社とライターである。もはや検索してあちこち記事を探さなくても、ChatGPTが端的に答えてくれるようになるからだ。そうなれば高度な専門知識がない書き手は不要になってしまう。
そうならないためにも、常にインプットをし続け自分の仕事を守り続ける必要がある。過去10年の働き方が、次の10年先に通用する保証はどこにもない。
インプットしなければアウトプットも腐るさらにインプットをしなければ、アウトプットの質も腐る。
たとえば講師業について言えば、中高年教師の中にはもう何十年も前の試験内容を教えている人がいる。しかし資格試験も生き物であり内容が変わったり、難易度も変わる。昔の知識のままアップデートしなければ、間違ったことを教える、という恐ろしい事が起きてしまうだろう。
会社員の場合でも、昔は手作業だった仕事がDXでシステム導入され変化と対応を迫られるということがある。しかし、それに対応できなければお荷物化は避けられない。実際、筆者が過去に会社員をしていた頃、大改革で大幅なシステム変更があり、それにより何人もの古株が変化に対応できず退職していった。
インプットをしなければアウトプットの質も悪くなる。世の中はとかくアウトプットが大事だと言われているが、せっかく時間と労力をかけてアウトプットしても、その質が伴わなければ何の意味もない。だからインプット、アウトプットは両方大事なのである。
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筆者がやっているのは、日々、大量にインプットをしてその中で価値提供できたり自分なりの意見を言えるものをピックアップするスタイルを取っている。そうすることで必然的に時代に取り残されることもなくなる。書籍は週に3冊は買って読むようにしているし、有料メルマガやnoteで専門家の知識インプットもしている。すべては時代に取り残される恐ろしさを理解しているからだ。
昔は周囲が優しくフォローしてくれた時代があったが、現代社会は誰もが忙しくそんなことをしてくれる余裕もなかなかない。自分の身は自分で守るしかないのだ。
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