このChatGPTに対抗すべくGoogle社がBardと呼ぶ類似の人工知能アプリを限定的に提供したようですが、あまり評判がよくないと書かれていました。
私もChatGPTがどの程度のものか日本語と英語でテストしてみましたが、「江崎玲於奈先生のことを教えて」の英語の質問に対しては、かなり正確に回答していました。残念ながら「He」とすべきところを「She」としているなど??の部分もあります。日本語での質問に対しては、全く別の人の説明が出てきました。いくつか試みましたが、本当に論文の手助けになるのかという印象です。
ただし、囲碁や将棋のAIソフトで経験したように、今はいまいちでも、2-3年後には「アッと驚く為五郎」(これをChatGPTで説明を求めるとその回答に思わず吹き出してしまいました。Googleで調べてください)で技術の進歩は驚異的です。
がんの治療法でも、数十年間改良に改良を重ねて、今、臨床現場で欠かせなくなっている抗体療法や免疫細胞療法があります。世の中をよくしたいと弛まない努力を続けること、そして、それをしっかりと支援・応援することが大切です。
2-3年ごとにコロコロと代わる役人が施策を決めている日本の仕組みを変えない限り日本はよくなりません。社会を変革するには、大きな視点に立って、いいものをいいと評価して、悪いものは悪いと断ち切れる真っ当な評価が不可欠です。

openai.com より OvsiankaStudio/iStock
編集部より:この記事は、医学者、中村祐輔氏のブログ「中村祐輔のこれでいいのか日本の医療」2023年2月18日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。