日本人は相手への期待値が高い

そもそも、日本人は相手への期待値が高すぎる傾向にあると思っている。ここからはその根拠を取り上げたい。

日本は世界的に見ても、ハイコンテクスト文化でありこれを簡単にいうと「察するコミュニケーション」ということである。いわゆる「空気を読む」のが得意な人種だ。同じアジア文化圏でも中国や韓国、インドネシア以上に日本は察する人種なのである。その対極にいるのがアメリカやオランダなどで「表現して伝える文化」である。

日本人が宿泊するケースについていえば、わざわざ言葉で言わなくても先回りして対応してくれるといった期待値が高い傾向があるということである。これは実際、自分自身も旅行のたびに実感する。こちらが驚くほどの対応をしてくれる。場合によっては「この料金でそんなことまでしてもらうのは、なんだか申し訳ないな」と思ってしまうほどだ。

しかし、日常からハイコンテクスト文化に生きている日本人のほとんどにとっては、このような過剰なほどの接客対応は「慣れ」ている。その一方で、外国人には驚きと感動を持っても迎えられるのでexcellent!という反応になるのだろう。

自分の親族にも宿泊業についている人物がいるが、「外国人はなんでも喜んでくれるのでこちらも喜ばせがいがある。しかし、日本人相手に同じことをしても当たり前という評価になる上、相手によっては図々しい要求を出してくる人もいる」というコメントを聞いたことがある。

宿泊施設の人手不足はとても深刻である。その人手不足は過剰なほどの接客おもてなし対応にもあるだろう。それで喜んでもらえるとやりがいがありそうだが、それを分かってくれるというのは日本人より外国人というのが現実なのである。

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