Z世代を中心とするイノベーター層がけん引する「昭和レトロブーム」。ファッションや音楽、グルメなど、昭和以前の世代にとって当たり前のものが現代の若年層には新鮮に映り、その価値があらためて見直されている。そのような潮流をふまえてか、佐賀県が遊び心あふれる観光PRを行っている。

ゲームで観光PR? 昭和の名作ゲームが舞台の「佐賀ゲー」

パックマン「佐賀ゲー」が話題!吉野ケ里遺跡や有田焼、嬉野温泉をパクパク食べてしまう
(画像=昭和世代にとっては青春がよみがえるビジュアルだ(画像は「佐賀県」プレスリリースより引用)、『オトナライフ』より 引用)

2月13日に佐賀県がプロジェクト始動を発表したのが「佐賀ゲー」。佐賀県とゲームをかけ合わせた造語と侮るなかれ、佐賀県の観光産業の未来を担うプロジェクトだ。メインビジュアルでピンときた人は、まさに昭和世代。バンダイナムコエンターテインメントの名作ゲーム「パックマン」や「ゼビウス」をはじめ、「ポールポジション」「スカイキッド」「ワルキューレの伝説」と佐賀県がコラボするという異色の試みなのだ。

2月13日にオープンした公式サイトでは、プロジェクトムービーが公開されている。昔懐かしい電子サウンドが流れるなか「パックマン」が往年の姿でステージ上を食べまわる。いつもと違うのは随所に佐賀県要素がちりばめられているところ。高級ブランド食材・呼子イカに扮したゴーストに追われながら、パックマンは丸ぼうろ、太良牡蠣、竹崎カニ、佐賀酒など佐賀県のグルメを食べ尽くしていく。さらには、吉野ケ里遺跡や有田焼、嬉野温泉、海中鳥居まで食べてしまうというクスっと笑える演出もあり、動画を楽しみながら佐賀県の魅力を垣間見ることができる。

こうしたユーモアあふれるコラボは他のゲームにも共通している。「ゼビウス」では敵の浮遊要塞が伝統工芸品・有田焼を模したデザインになっており、「ワルキューレの伝説」の舞台が嬉野の茶畑に設定されており、まさに佐賀県バージョンという仕上がり。この観光PR施策は、佐賀県民にとっても誇らしい気持ちになり、シビックプライドの醸成にもつながるに違いない。