【木村ヒデノリのTech Magic #156】 キックバイクの有効性はもはや語るまでもないだろう。補助輪付き自転車と比べ、子どもが自転車に乗るためのバランス感覚や体幹をやしなうことができるという意味で、乗り物として優れている。現在どれを選んで良いのか分からないほど種類があるキックバイクだが、自分の娘のためにリサーチを重ねて辿り着いたベストな選択肢が「SPARKY」だ。リサーチ製品選びの新基準をお伝えしたい。
やはりブレーキは必須 基準は「乗り物」か「遊具」か
いろいろ迷ったがこのSPARKYにしようと決めたポイントは下記だ。
・デザインがカスタマイズ可能。SPARKY ecruならより他の子とデザインがかぶらない
・重量が軽い
・ブレーキがついていて左手で操作できる
・スタンドが付いている
・国内で整備されてから出荷されている
キックバイクといえば真っ先に思いつくのがストライダーだ。最近はラインアップも充実し、競技もあることから多くのユーザーに選ばれているが、ブレーキが付いていない。これがどうしてもネックになった。
というのも私自身、変なブレーキの癖が付いてしまって苦労した経験があるからだ。当時、自分が乗っていた自転車の左(後輪)ブレーキの効き方が右と比べて著しく強かった。止まり過ぎてしまうことに加え、利き手と反対(もしかするとだから強くなっていたのかもしれないが)というのもあって自然と右のブレーキを使うようになった。これがなんと最近Vanmoofに乗り始めるまで続いたのだ。
癖というのは怖いもので、体に染み付いてしまう。結果Vanmoofに乗り始めて2、3回目で急ブレーキをかけ、派手に転倒したのだ。これは極端な例だとは思うが、親心としては初めから良い癖をつけてあげたい。そう考えると左で後輪のブレーキがかけられる、というのは非常に重要だった。
探してみると分かるが、この条件に合う製品は意外と少ない。ブレーキ付きの製品でも右手側に付いていて後輪を操作するタイプもある。その点、SPARKYは元々自転車の販売を手がけていただけ会社だけあって、さまざまな点が「乗る側の目線」で考えられていてよかった。ブレーキはもちろん、スタンド付きというのもそうだし、何より生産地は中国だが、輸入後に全て国内の工場で整備されてから出荷されているのも安心できる。
実はキックバイクの一部は遊具や玩具という位置付けでおもちゃ売り場やネットで売られている。こういう状況の場合、ブレーキがついていても30%くらいの力しか出せないことがある。組み上がっただけの自転車には個体差があり、生産工場ではそこまではチェックして出荷しない。それをそのまま販売すると固体によってはブレーキが効きづらいものに当たってしまうというわけだ。恐ろしいのは我々素人の購入者は購入時点でそれを知る由もないということである。
こうしたことが起こらないよう、SPARKYを販売するサーチライト社は国内に入ってきてから一台一台丁寧に整備して販売している。こうした目線は自転車を長く手がけている会社ならではだろう。「乗り物」としてキックバイクを売っているかどうかというのは非常に重要なポイントだ。
カスタマイズできるデザイン性が重要な理由
もちろん自転車店などが販売している他ブランドは整備されているだろうから安心してほしい。ただ「よく売れている」ブランドがかえってデメリットになってしまうことがある。それがデザインだ。
よく売れているということは多くの人が持っていることになる。そうすると公園などに行った際「取り違え」が起こるのだ。単に取り違えならまだいいが、悪いケースだと取り違えを装った盗難に遭うことも。
カスタマイズやデザイン的に他と違うものを選んでおくとこうした状況に陥ることが減るので実はデザインも重要なのだ。SPARKYには各種カラーに加え、今回筆者が選んだロゴシール無しモデルや、女の子の服にも合わせやすいecruといったラインナップもある。見た目が同じになりがちなキックバイクにはうれしい選択肢と言えるだろう(現在ストライダーでもタイヤやハンドルの色を変えられるサービスがある。ブレーキなしで良いということであればもちろんそちらでも良いだろう)。