目次
防人とは?
金田城跡でガイドさんから聴く「防人のうた」に感動
防人とは?
防人(さきもり)とは大宰府、壱岐、対馬などの最前線で国防に当たった人々のことです。
朝鮮半島での白村江の戦いで大敗した日本は「これは本土にまで攻め込まれる」と恐れ、九州沿岸の防御を固めます。そこで国防を担ったのが防人たちです。
防人は意外にも東国(埼玉、群馬など関東圏)出身の人が多かったそうです。白村江の戦いで九州の若者の多くが駆り出され、九州以外から人を派遣しなければ人材を賄えなかった、また土地勘のない遠方から来た人間の方が脱走しにくいであろうといった理由などもあったようです(諸説あり)。
防人の任期は基本的に3年。赴任地までの交通費は支給無し。現地での給与も無し。宿舎は提供されますが食事は自分で自給自足。任期を終えて帰国する時の交通費も支給無し。途中、行き倒れたり、盗賊に遭ったり、道に迷ったりして故郷まで帰ることが叶わなかった人も大勢いたようです。
金田城跡でガイドさんから聴く「防人のうた」に感動

(画像=<防人たちも眺めていたのかもしれない風景>、『たびこふれ』より引用)
万葉集に、防人によって詠まれた歌が100首ほど残されています。そのほとんどが故郷への想い、家族への想いが綴られた悲しい歌です。
その中のひとつをご紹介します。
「父母が頭掻き 撫で幸(さき)あれて言ひし言葉ぜ忘れかねつる」丈部稲麻呂(はせつかべのいなまろ)
意訳:別れる時、父母が私の頭を掻き撫でて「どうか元気でいるんだよ」とかけた言葉が今も忘れられません。
まだ年若い少年が故郷の父母を想い、望郷の念で詠んだ歌が切なすぎます。

(画像=『たびこふれ』より引用)
金田城跡でガイドのあっちゃんが、防人のうたとその当時の様子を話してくれます。思わず涙がこぼれます。