こんにちは! たびこふれ編集部のシンジーノです。

金田城ってご存じですか?

金田城は、長崎県に属する国境の島「対馬」にある古代山城です。

城の建物は残っておりませんが、1300年以上も前に築かれた石垣が今も一部当時のままで残っている価値ある遺跡です。

NHKの番組で日本最強の城のひとつといわれたこともある金田城。そこには、防人たちの想いが込められた凄まじい歴史物語がありました。金田城があった城山山頂に立ち、ガイドさんから聴く防人たちの話に、私の心は震えました。

城山山頂からは、1300年以上も前に防人たちが眺めたであろう、当時の風景とほぼ同じ光景を見ることができます。

この記事では金田城についてお伝えします。

目次
金田城とは?
金田城へ登る

金田城とは?

西暦660年、朝鮮半島の百済が、唐・新羅の連合軍によって滅ぼされました。当時日本(倭国)は百済と同盟関係にあり、百済から救援を求められて援軍を出しましたが、白村江の戦い(西暦663年)にて、日本は新羅、唐の連合軍に完膚なきまでにやられます。「これは日本本土にまで攻め込まれる」と恐れた朝廷は九州(大宰府、壱岐、対馬)の防御を固めるため、西日本各地に古代山城を築き、侵攻に備えました。

667年、対馬の南岸に突き出した「城山」(じょうやま)に「金田城」が築かれました。

金田城では防人たちが朝鮮半島からの敵を監視し続けたそうです。当時の対馬は国防の最前線の島でした。

それから1000年以上の時を経て、金田城は日露戦争中時に再び要塞として整備され、巨大な砲台が据え付けられました。

1300年以上前に防人が築いた古代山城と、約100年前に旧日本陸軍が作った要塞が並存する城山は国の特別史跡に指定され、歴史を物語り続けています。

2017年、金田城は(公財)日本城郭協会によって「続日本100名城」に選定されました。

2019年9月16日に放送された「あなたも絶対行きたくなる!日本『最強の城』スペシャル」第4弾(NHK)において、対馬の古代山城・金田城が、日本「最強の城」に選定されました。

金田城は「かなたのき」(古称)、「かねだじょう」(史跡)の読み方があります。

金田城へ登る

金田城は、対馬中央部(現在の対馬市美津島町)にある城山(標高276m)の山頂に築かれた山城です。

山頂まではいくつかのアプローチルートがありますが、急登ルートもあり、今回は、日露戦争時に日本軍が砲台を作るために整備した、一番登りやすいルートを取りました。

登山口から山頂まで往復して約2時間半~3時間(休憩込み)くらいです。山頂付近の急登エリア(長い距離ではない)以外は歩きやすく整備された道です。

国境の島「対馬」に日本最強の城のひとつと言われた 金田城 があった!
(画像=『たびこふれ』より引用)

金田城登山口には、立派な石塔が建てられていました。

国境の島「対馬」に日本最強の城のひとつと言われた 金田城 があった!
(画像=『たびこふれ』より引用)

このルートは、本格的な登山装備は不要ですが、歩きやすいスニーカー、両手を使えるように背負えるザック、軍手、飲み物などを準備しておくことをお勧めします。

国境の島「対馬」に日本最強の城のひとつと言われた 金田城 があった!
(画像=『たびこふれ』より引用)

基本的にはこのような傾斜が少なく歩きやすい道を登ります。

国境の島「対馬」に日本最強の城のひとつと言われた 金田城 があった!
(画像=『たびこふれ』より引用)

林間の道を歩いていると、前方が開けてきました。

国境の島「対馬」に日本最強の城のひとつと言われた 金田城 があった!
(画像=『たびこふれ』より引用)

入り江を見下ろす場所に着きました。

国境の島「対馬」に日本最強の城のひとつと言われた 金田城 があった!
(画像=『たびこふれ』より引用)

さらにどんどん登っていきます。

国境の島「対馬」に日本最強の城のひとつと言われた 金田城 があった!
(画像=『たびこふれ』より引用)

途中でこのような当時の石垣を見ることができます。ほぼなだらかな道が続きますが、山頂付近だけ少し本格的山道のように険しくなります。

国境の島「対馬」に日本最強の城のひとつと言われた 金田城 があった!
(画像=『たびこふれ』より引用)

急斜面なので、手足を全部使ってよじ登るように上がっていきます。軍手はこの時役立ちます。ここは登りよりも下る時の方が要注意です。が、ゆっくり着実に歩みを進めれば大丈夫です。

国境の島「対馬」に日本最強の城のひとつと言われた 金田城 があった!
(画像=『たびこふれ』より引用)

城山山頂に到着しました。ここに金田城が建っていたのです(現在は城跡無し)。

国境の島「対馬」に日本最強の城のひとつと言われた 金田城 があった!
(画像=『たびこふれ』より引用)

1300年以上前、防人たちが同じ風景を眺めていたことでしょう。(人工物はほとんどなく、当時と今でも風景はさほど変わらなかったようです。)