ゼロゼロ融資の返済本格化や金利の変動などを背景とした新たなファイナンスサービスの進展
2023年は金融業界にとって、また社会全体にとって、今まで以上に不確実性の高い年になりそうだ。
ゼロゼロ融資の返済本格化や金利の変動などが社会に大きな影響を及ぼす可能性が高まる中で、中小企業にとっては特に影響が大きいだろう。さらに銀行業界でも経営者保証の廃止を加速する動きが出てきている。
そんな時代の変曲点にあって、経営者保証を前提とした伝統的な銀行融資以外のファイナンスサービスが注目を集めそうだ。
例として、ファクタリングや法人クレジットカード、将来の売上成長を前提としたファイナンス手法である「レベニュー・ベースド・ファイナンス(RBF)」などのオルタナティブファイナンスの3つを挙げたい。
また、新たな担保権として議論が活発になっている事業成長担保や全資産担保などが議論されており、先ほど言及した新たなファイナンス手法と何らかのかたちで結びついていくだろう。情報をデジタルに扱うことが可能な昨今、どのように展開されるか注目したい。
最後に
日本の成長性を高めるためにも、新たな金融サービスは今まで以上に求められていると感じている。よりよい社会の創造のため、フィンテック業界が社会をよい意味で変えていくことを期待している。
<著者プロフィール>
柳 志明
株式会社ペイルド
代表取締役社長 Chief Executive Officer東京大学大学院修士課程修了。2011年にJPモルガン証券投資銀行部入社。国内外のテック企業を中心にM&Aや資金調達のアドバイス業務に従事。2017年8月、株式会社Handii(現 株式会社ペイルド)を創業。