私の知人が最近4枚目のアルバムとしてCDを発売しました。それをカナダで売って欲しいと。本人からもプロデューサーからも連絡をもらったのですが、これは至極困難でタイミングを見計らっているところです。私はカナダで書籍、アニメ関係の販売をしている関係で音楽物もその販売項目には含まれます。が、実際に売れるのは相当コアなお客様からの客注のみです。いわゆる店頭販売はしません。理由は簡単です。日本にはまだあるのかもしれませんが、カナダでCDプレーヤーを持っている人がもう少ない、なのでこれを再生する手段がないのです。

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ご承知の通り、音楽はレコード、カセットテープ、CDプレーヤー、MDなどを経て配信に代わってきました。レコードからCDに移り変わる時、議論が巻き起こりました。音を追求するならレコードだよね、って。技術的なことは本題からそれるので割愛しますが、それは事実です。CDだとどうしてもキンキンとした音で私も結構高額なCD再生機を使っていたこともありますが、レコードのような音の奥行きは出ないのです。それと私にはもう一つ申し上げたい理由があります。それはジャケットなのです。あの30センチ角の正方形のジャケットの芸術性は時として私をタイムマシーンで昔に引き寄せてくれる魅力があるのです。CDの小さなジャケットではあの圧巻性は出ないのです。

日経に「聴けなくてもレコード買いたい Z世代の所有欲」とあります。私はこのタイトルは違うと思います。「聴かなくてもレコード買いたい XYZ世代の所有欲」がより実態を表していると思います。もちろん、実際に聞いてもいいです。レコードに針を落とす瞬間、ジリジリという雑音や独特のシャーという音の後、曲の音が出た瞬間、自己陶酔の世界に入ります。だけどレコードを聴くのは年に数回だけ、それでいいのです。

日経の記事はレコードがアメリカで売れていると報じています。2022年売り上げトップはテイラースウィフトで94.5万枚とは驚きましたが、へぇと思わせたのがフリートウッドマックが1977年に売り出した「噂(Rumours)」が24万枚で5位に入っていることでしょうか?マイケルジャクソンやビートルズが9位、10位であることを考えるとコアファンの強さを感じます。私はシカゴとか初期のエアロスミスなどは未だに自分の体の一部で絶対的なものを感じています。