筆者に言わせればあれは意識レベルの問題じゃなくて、単純に人事制度の問題なんです。業務範囲が曖昧なまま集団で仕事しているから有休や育休取ったら「自分だけ楽しやがって」となっちゃうわけです。

繰り返しますが、育休取って出世に影響が出るのは仕方ないんです。

問題は、基本給積み上げ式の年功序列型組織の場合、基本給を積み増せなかった影響はその後もずっと残るし、それがゆくゆく昇格にまで影響してくるということなんですね。

じゃあどうすればいいかというと、現行の人事制度の枠組みの中で考えろと言われれば、育休中のスキルアップ支援くらいしか出てこないのはしょうがないんじゃないでしょうか。

もちろん、あくまで希望者だけ。それで実際にスキルアップ出来て、復職後の昇給や出世への影響を抑制することが出来たら万々歳くらいの感覚でしょうか。

という観点を踏まえると、普段から「終身雇用こそ正義!雇用流動化は反対!」みたいな皆さんは、ぜひとも岸田さんの決断を応援してあげてください。で、育休中の人達には「年功序列の秩序を守るためだ!子育てと並行してリスキリングも頑張れ!」と激励してあげてください。

残念ですが、現行制度ではそれが唯一の均等な処遇への道すじなので。

逆に「育休中にそんなことできるわけないだろ!」というのなら、年功序列や終身雇用自体にそもそも無理があるということになります。

枠組み自体を見直すしかありません。

以降、 育休や休職の影響を最小限におさえるコツ たいていの生きづらさは年功という梯子を降りることで解決する

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Q:「口コミはどこまで信用できる??」 →A:「その人はそういう意見なんだな、くらいに思っておいてください」

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編集部より:この記事は城繁幸氏のブログ「Joe’sLabo」2023年2月9日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はJoe’s Laboをご覧ください