グレフ氏はNYTの報道姿勢も批判していました。NYTは2016年10月からトランプ政権の終盤までの間、「消息筋」というぼやかした表現をロシア疑惑についての記事で1000回以上使用していました。

これによって、噂レベルの情報が政府高官の発言と受け止められかねず、ロシア疑惑の信ぴょう性が増長する効果が生まれてしまいました。

また、ロシア疑惑について報じたメディアは既存の報道を覆す情報が出てきても、訂正をしなかった実態も記事中では指摘されています。トランプ氏が悪役であることから逸脱する論調は許されませんでした。

グレフ氏は米国ジャーナリズムの劣化に危機感を抱いたことが今回の検証記事の動機だとしていました。ロシア疑惑をめぐる報道により米国の分断はより深刻になり、報道に対する信頼は歴史的に見ても低い水準にあります。

ベテラン記者からの警鐘に米国メデイアは振り向くのでしょうか?