教えるから気づける、拾える

毎日、人に教えたり、アウトプットを続けているとわかることがある。それはこの生活習慣が魅力的な知識や情報を拾ったり気づきを与えてくれるということだ。漫然と代わり映えしない生活を送っていても、気づかないまま通り過ぎていくことは多い。

筆者は2003年前後から日記を書くようになった。日記を書くようになる前の記憶はほとんどないが、日記を書くようになってからはいつ何があったかはかなり鮮明に記憶に残っている。忘れても日記をみれば、思い出のアルバムを開いたように鮮明に当時の記憶が映像や音とともに蘇る感覚がある。

そして日記をつけ、動画や記事を出すようになって日常生活をするだけで世の中はネタの宝庫であるということがわかった。それまではぼーっとして通り過ぎていたことも、教える側にたつと「この体験はなにかの時に誰かを励ますエピソードとして活用できるな」といった気づきになるのだ。

教えるからこそ、気づく、拾えることはとても多い。そして年単位ではそうでない人と積み上がる知識や気付きの総量はとてつもない差になるだろう。

コミュニケーション能力も飛躍的に伸びる

教える過程で、語彙力表現力などのコミュニケーション能力は飛躍的に向上する。

記事や動画を出すと、世の中にはいろんな人がいることを知ることになる。書いた内容を正確に読めない人、批判しかできない人、誤解する人、その逆に極めて理知的な解釈ができる人などである。

いろんな人がいることを想定すると、必然的に言葉の使い方に気を配ることになる。「この言い方だと、誤解を生じる人が増えそうなのでそうならないためにこっちの言葉を使おう」とか「難しい概念なので、このたとえ話を出そう」といった具合である。教える相手から誤解した内容で批判が来れば、「なるほどこの言い方だと伝わらないんだな」とフィードバックを受けて次回は善処しようと考えることになる。この技術の向上はネットだけでなく、リアルのコミュニケーションでも活きる。

筆者は昔、「あなたは何をいいたいのか全然分からない」と言語能力が非常に低かったが、発信活動をするようになって、門外漢の知識がない相手でもわかりやすい説明ができる力は磨くことができたと思っている。

「教える側になるなんてとんでもない」と尻込みをする必要はない。教師と生徒の差はとても小さくてもいい。教師の立場になって背伸びして教え続ければ、そのうち教えるスキルが追いついて役に立つ話ができるようになる。一日も早く教える立場に立つ勉強法を通じて、自分自身が最も得をする立場になることをおすすめしたい。

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