今週にも政府は日銀人事を国会に提示すると見込まれていますが、その総裁については雨宮正佳副総裁になりそうだと日経が特報で報じています。日経は時として大ポカすることもありますが、雨宮氏は数名いる候補でも本命中の本命であり、かつ黒田総裁を支えてきたこともあり、順当な人事だと思います。個人的にはこれで決まるのだろうと思います。
では雨宮氏が総裁になるとどうなるのでしょうか?基本的には黒田総裁のポリシーを引き継ぐとされます。よって市場はもろ手を挙げて喜ぶでしょう。株高、円安が一時的には起きると思います。ただ、それはshort lived になるとみています。

日本銀行 Wikipediaより
NY時間の金曜日、雇用統計が極めて強い結果となったことを受け円が2円以上、安くなりました。私もあれからいろいろ考えを巡らせたのですが、アメリカの潜在労働力は表むきはあと500万人強しかいません。それも有能かどうかわからない労働力も含めて、という意味です。今回50万人以上が1月の雇用で吸収されたということは労働の質は今後、急速に悪化していきます。当然、労働生産性も下がるし、人件費の上昇で物価が高止まりする公算がでてきます。とすれば企業の売り上げは下がり、一定の景気後退は避けられないのだろうと推測できます。
これはアメリカの金利動向を探るうえで重要な判断どころで私は0.25%の利上げをあと一回とみています。市場は3月に利上げシナリオを予想していますが、私は一度飛ばして4月の可能性もあると思っています。その間に雇用統計がもう一度、CPIが2度発表になるのでその結果次第になるでしょう。