台湾の行政院長(首相)はゲノム疫学研究者
1月31日に台湾の新内閣が発足した。台湾の行政院長(首相)に任命されたのは陳建仁氏である。私は7-8年前にお会いしたことがある。私の弟子のひとり(台湾の大学教授)を訪問した際に、彼が以前勤務していた研究室の教授だと紹介してくれたのだが、この陳建仁氏であった。陳氏の略歴は
Chen, Chien-Jen 陳建仁 (sinica.edu.tw)
にあるように、台湾大学を卒業した後、疫学研究に携わり、ゲノム疫学研究をしておられた。

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台湾の新内閣の景気対策が最優先だそうだが、トップに医学研究者を据えたところが斬新だ。といっても、台湾のコロナ対策でのオードリー・タン氏の活躍に日本の科学・デジタルレベルの低さを知った人は少なくない。医療は、すべての面において科学が重要だ。この3年間、如何に日本の政策に科学が欠如してきたかをコロナ感染症対策と通して、われわれは歴史の証人として眺めてきた。
フランシス・コリンズ博士は小児科医で・ゲノム研究者である。彼は3人の大統領(オバマ・トランプ・バイデン)の元で、米国NIHの所長を務めて、生命科学・医学研究をけん引した。バイデン大統領が閣僚級の科学技術顧問に指名したエリック・ランダ―博士もゲノム研究者だ(すぐに辞めてしまったが)。ゲノム・デジタル・AIがキーワードとなって医療革新が起こりつつあるのは常識だ。