政治家と役人、ある意味、同床異夢、場合によっては水と油に近い関係かもしれません。どんなに優秀でキャリアとして採用された役人も最上位は事務次官。ところが事務次官は政治家から選出された大臣、副大臣、政務官を従えるわけにはいきません。かつては東京大学を出て、キャリア職として国家を背負うなどという勇ましい声も聞かれましたが、今では海外転勤したくない外交官とか、残業を拒否る優秀な役人が増えていると聞きます。

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東京大学の現役の学生に聞きましたが役人は不人気職の一つだそうです。

先日、母校から当地に留学している現役学生たちと会食をした際、就職の話題になりました。現在は大学3年ですぐに就活を始めて大学4年になる前までに内定が出るパタンです。さらに外資系などはインターン合格というのがあり、それが採用側の期待通りであれば自動的に就職できるという実質内定の仕組みもあるようです。会話した一人は3年生ですが、既にインターン合格しています。一方、公務員試験は大学4年の夏頃の結果発表だったかと思います。これでは役人と企業の両方を受けることが実質厳しいのです。学生も役人になる試験でイチかバチかの勝負は避けるでしょう。これが役人の質や希望者が低下した理由の一つでしょう。

場所は変わってカナダ。基本的に政府の姿勢に「むかつく」ことが多くなりました。それは政策と実態がまるで伴っていないのです。有権者に選ばれた政治家や政党は耳障りの良いことをつぎつぎと並べます。が、それらの「ぶち上げ」に対して実務を担当する役人は全然追いついていない、この歪みが大きくなってきたのです。