最近、多くの消費者が「キャッシュレス決済」を利用している。財布を出さずにスマホやICカードなどで決済できる手軽さや、ポイント・キャンペーンなどの特典に加え、コロナ禍によりできるだけ非接触で済ませたいという心理も働いているようだ。

店側にとっては手数料など諸費用がかかるため、キャッシュレス決済導入に消極的なケースもあるだろうが、消費者の利用実態はどうなのだろうか。

リクルートの外食市場に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研(以下、外食総研)」が、飲食店でのキャッシュレス決済の利用実態と意向について調査したところ、「ほぼ毎回、現金以外の支払い方法を利用している」と「現金以外の支払い方法の利用が多いが、時々現金で支払うこともある」を合わせた「キャッシュレス派」が計71.5%で、「滅多に現金以外の支払い方法を利用しないが、時々ある」と「現金以外では支払いしない」を合わせた「現金派」が計28.5%となり、「キャッシュレス派」が2019年3月調査時の計52.9%から大幅に増えたことが判明した。

■キャッシュレス派は60代女性に多く支払い方法はクレジットカードが主流

「キャッシュレス派」は若年層に多いのか? と思いきや、60代女性で最も割合が高く(計74.9%)、次いで30代女性が割合が高かった(計74.6%)。逆に、20代女性は最も「現金派」(計32.0%)の割合が高かった。

圏域別では、首都圏で「キャッシュレス派」が最も割合が高く(計72.8%)、関西圏は3圏域中「現金派」の割合が最も高かった(計30.7%)。これは2019 年調査結果と同様の傾向である。

飲食店利用者の7割超が「キャッシュレス決済派」に!男性は30代、女性は60代が最多【HPグルメ外食総研】
(画像=『FOOD FUN!/外食産業新聞社』より引用)

※「キャッシュレス派」:「ほぼ毎回、現金以外の支払い方法を利用している」「現金以外の支払い方法の利用が多いが、時々現金で支払うこともある」のいずれかに回答した人を集計
※「現金派」:「滅多に現金以外の支払い方法を利用しないが、時々ある」「現金以外では支払いしない」のいずれかに回答した人を集計

現在主に利用している支払い方法(現金以外でも支払いが可能な場合)は、1位「クレジットカード」(49.6%)、2位「QRコード・バーコード決済」(27.0%)。2019年比で「QRコード・バーコード決済」が急増した。

性年代別では、「クレジットカード」の回答割合が最も高かったのは60代女性で83.9%、「QRコード・バーコード決済」は20・30代男女で利用経験者の割合が高かった。また、「交通系電子マネー」は首都圏で利用経験者の割合が高いという特徴があるようだ。

飲食店利用者の7割超が「キャッシュレス決済派」に!男性は30代、女性は60代が最多【HPグルメ外食総研】
(画像=『FOOD FUN!/外食産業新聞社』より引用)

■ 今後の支払い意向、キャッシュレス決済を「利用したい」が計88.3%と圧倒的多数

飲食店で現金以外の支払い方法を今後利用するかについて、「積極的に利用したい」と「まあ利用してもよい」の合計が88.3%。「あまり利用したくない」と「まったく利用したくない」の合計11.7%よりも圧倒的に優勢となった。

性年代別では、30代女性(計90.8%)と20代女性(計90.0%)で、キャッシュレス決済の利用意向が9割を超えて高くなっている。逆に現金派が最も多かったのは50代男性(計
13.2%)という結果だった。

飲食店利用者の7割超が「キャッシュレス決済派」に!男性は30代、女性は60代が最多【HPグルメ外食総研】
(画像=『FOOD FUN!/外食産業新聞社』より引用)

※「利用したい・計」:「積極的に利用したい」「まあ利用してもよい」のいずれかに回答した人を集計
※「利用したくない・計」:「あまり利用したくない」「まったく利用したくない」のいずれかに回答した人を集計