企業の外部人材活用が積極化──外部人材活用で営業革新を図る
これらの背景から、VUCA時代に求められる企業の営業戦略は、外部の即戦力を活用して複数の営業施策をなるべく同時かつスモールに検証し拡大を進めることといえます。
しかし、当然これらを実行するためには、各企業の事業に合わせた様々な施策を提案し、それを実行できる即戦力人材を探さなければなりません。営業代行やフリーランス会社や担当者、個人によって支援内容や質、スキルセットのばらつきがあり、ピンきりといわざるを得ません。
営業の外注でよくある失敗例は、プロジェクトマネジメントができる人材が不在なのに、低コストという理由だけで副業やフリーランスの実務スキルセットの人員だけを集めて丸投げしてしまうケースです。
弊社は国内最大級の営業代行プラットフォーム「カクトク」を運営しておりますが、カクトクでは審査を通過した営業マネージャーとプレイヤーをチームにして企業とマッチングする仕組みを取り入れることで、低コストでの営業外注の検証とプロジェクト自体の成功確率を高める工夫をしています。企業の外部人材活用が積極化し、カクトクでは従業員10名未満の地方の小規模企業から、数千人を超える従業員規模の上場企業や外資企業までの年間2,500社以上の企業が利用するプラットフォームに成長しています。
また、営業職側もフリーランスとして独立して年収1,000万円を超える方、法人化して年商1億を超えるチームをつくる方、デジタルでの営業支援をメインにして地方や海外への移住をする方など、個々人の経済面・環境面の価値観に合わせた働き方・生き方を実現するケースが多数生まれています。
DXで営業領域の「戦略」と「働き方」の革新に挑戦する
前半では企業目線での話が多かったですが、弊社の事業の原点は、営業職の働き方や生き方の革新にあります。企業が成果を出せて、かつ個人が望む理想の働き方を実現できるプラットフォームを提供することで、結果として営業職の働き方や生き方を革新していく挑戦をしています。
弊社は、社会における営業の役割を単に売上をあげる役割ではなく、イノベーションのラストランマイルを担う存在であると考えています。
誰かがつくった素晴らしい製品や仕組みを、顧客に届けることを積み重ねて世の中に広げて、社会のイノベーションを後押しする存在だと考えています。
これまで営業は過剰なノルマ・残業など、一般的に精神的な負荷が大きい職種といわれてきました。
弊社は営業人材が理想の生き方を実現できる環境を提供することで、このような営業職に対するネガティブイメージを払拭し、心理的余裕と仕事への誇りを持てる世界をつくりたいと考えています。それが結果として、社会がより便利で豊かな世界になるのではないかなと考えています。
営業人材には働く時間や住む場所を自由に選択できる環境を、企業にはオンデマンドで最新の営業組織をつくれるプラットフォームを提供し、「営業」を通じて新しい価値を社会に届けてイノベーションを加速させ、豊かな世界をつくることを目指していきます。
<著者プロフィール>
満田聖也
カクトク株式会社
代表取締役
立命館アジア太平洋大学(APU)在学中、衣服生産のクラウドソーシング「シタテル」の立ち上げに営業統括として参画し、各地域のアパレルセレクトショップの獲得に成功。2016年、20歳でカクトクを設立、営業代行プラットフォーム事業を開始。