この地球上で火を使う唯一の動物が人間である。今でこそキッチンのコンロをひねるだけで手軽に火がつき、ボタンひとつで風呂を沸かすことも可能だが、ここまでの文明を発展させることに成功したのも、遥か昔に動物が本能的に嫌うと言われている火を逆に自らの生活に使用するという、非常に高度な進化があってこそ。

そんな進化を経て、今や生活の一部となっている火だが、焚き火ほどこれまでの人類の歴史をギュッと濃縮させた体験はない。小さな火種から徐々に大きな火を起こし、起こした火で暖をとったり、料理をしたり、手間をかけた火を使うことによって豊かになる生活をその肌身で感じられるというロマンがあるのだ。また、寒い季節ほど焚き火は欠かせず、外気温が氷点下に近づくような寒さの中でも焚き火の周りは暖かく、みんなで焚き火を囲んでの談笑はもちろん、ゆらゆらと揺れる焚き火の前で暖かいコーヒーを飲めば、体の芯まで暖まってくる。

しかし、焚き火の取り扱いはガス火のようにはいかず、湿気た薪が突然爆ぜたり、煙によって全身が煙臭くなってしまったり、料理をするにも焚き火にかけた道具は煤で真っ黒になってしまうことも。そんな、少々慣れや知識が必要となってくる焚き火だからこそ奥が深く、いつものキャンプもより自然的なものになることは間違いない。現在では様々な焚き火アイテムの展開はもちろん、薪についてもキャンプ場の受付やホームセンターなどで手軽に入手することができるので、自分に合った焚き火のやり方や道具選びができれば、キャンプ場での過ごし方もかなり広がってくるはずだ。また、直火禁止などのルール確認も忘れずに。

火を起こしてみよう

焚き火を始めるにはまずは火起こし。道具や薪などの事前準備や薪を燃やす順番などの予備知識を知っておくことで、初挑戦の私でもなんとか起こすことができました!ガス火と違って手間のかかる作業だけれど、自分で起こした火を見ていると、この作業もまた楽しみの一つと思えるかも!

まずは火種を作っていく。燃えやすい麻の繊維から細かいウッドチップなどに火をつけ、薪も細いものから太いものへと焦らず、徐々に火を大きくしていこう。麻の繊維は非常に燃えやすいので、手軽なライターなどの発火具のほか、より本格的な火打石などを使用しても火をつけることができる。防火手袋も忘れずに装着しておくこと。

火種ができたら、燃えやすいティンダーウッドや細かなウッドチップなどに火を移し、火が弱い時は酸素を送って火を強くしていこう。火種から小さな火が起きたら、割り箸などの小さな薪を使って火を安定させよう。この時に地面に直火の場合は、薪の下に空気が入るように薪を組んでいく。細い薪から太い薪へ燃え移らせて、徐々に火を大きくしていく。ここまで来れば急がなくても急に火が消えたりすることはないだろう。太い薪に火がつくと焚き火の火も大きくなり、燃える速度もゆっくりだ。ただし、一度に大量の薪を焼べてしまうと酸素が足りなくなり、失火してしまうこともあるので注意しよう。

太い薪にも十分に燃え広がったら、火起こし作業はひとまず完了。というのも、焚き火とは不安定なものなので、火が弱くなってきたら薪を追加して一時的に火を強めたり、火が強すぎる場合は薪を減らすなどして火加減を調整する必要がある。こればかりは回数をこなして覚える他ないというのが、焚き火の面白いところ。

キャンプ中の焚き火も安心の万能ライディングウェア

撥水と難燃加工に加えて、アウトドアウエアでは定番となっている生地[60/40クロス] を使用することで通気性・耐摩耗性を両立したジャケットと、堅牢性を確保しながらも動きやすいコットンオックス生地を使用したオーバーオールはプロテクション装備のバイカー仕様になっている。

アーバニズム×ノマディカ 
・60/40マウンテンパーカー02  ¥33,000 (税込)
・ コットンオックスオーバーオール  ¥26,400 (税込)

自分にあった焚火台を選ぼう!

メッシュタイプの焚き火台は、なんといっても非常に軽量でコンパクトな収納サイズがバイク乗りには嬉しい。収納時に円筒状になるため、バッグ内部よりもベルトやネットを使っての車載に向いている。

折り畳み式の焚き火台は、展開が手軽で収納時に厚みが出ないので、バッグに入れて持ち運びやすい。また、焼き網を乗せればグリルとして使うことができるが、安定感に比例して重量もあるのが玉に瑕…