高級店だけがミシュランガイドに掲載されるわけではない
━━ミシュランガイドを見ていると、評価が高くなるにつれて平均の飲食代金も増えている印象があります。ということは、やはり高級店に高評価が付きやすいのでしょうか?
「価格帯は評価の判断基準に影響しないので、高級店でなければ三つ星を獲れないというわけではありません。あくまで冒頭でお話しした5つの評価基準に基づいて、掲載するかどうかや星の数を決めています。
ビブグルマンにはラーメン店やカレー店など、リーズナブルな店も掲載していますし、そういった店でも高い評価を得られれば上位の星を獲得できるはずです」
━━ウェブ版に掲載されている店が東京、大阪、京都、奈良しかありません。ほかのエリアの店には掲載のチャンスはないのでしょうか?
「そんなことはありません。現状では毎年更新しているのが挙げていただいた4都市というだけで、調査員は常に日本全国の飲食店を調査しています。ですので、評価基準を満たせば将来的にガイドに掲載という可能性も当然あります」
性別、国籍、年齢もバラバラ。すべてが謎に包まれた覆面調査員
━━先程から「聞いたことがある」や「……という話」といったようにお話しされていますが、本城さんも調査についてあまり詳しくないのでしょうか?
「そうなんですよ。ここでお話ししているようにある程度は知っていますが、詳細は我々社員も知らないんです。調査員については、間違いなくミシュランの正社員ということだけはわかりますが、顔も名前もまったくわかりません」
━━なるほど! ただそれだと読者の方も納得できないので、本城さんが知っている範囲で調査員についてお聞かせください。
「厳しい質問ですが、本当に知らないんです。私がわかるのは、ミシュランのフランス本社直轄の正社員であること、調査員になるためのトレーニングが一定期間必要なことくらいです」
━━たとえば日本で調査している調査員の人数もご存知ではない?
「そうですね。調査員は性別、国籍、年齢もバラバラで、ずっと一つの国を調査し続けるわけではなく、ある程度流動的にいろいろな国を調査しているようなので、なおさら『こんな人』とお答えできないのが心苦しいところです。
ただ、相当な数の店を調査する必要があるので1人ではないでしょうし、調査員になるために一定以上のスキルや適正が求められるので、何百人ということもないと思います」












































