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時計といったらCASIOでしょ歴30余年の興奮たるや…
しかし、これは仕事! 平然を装い、いざ本社へ潜入!
世界にその名を轟かすCASIOといえば、何を思い浮かべるだろうか? G-SHOCK、チプカシ、PRO TREKやOCEANUSなどの腕時計。「いやいや、CASIOといえば電卓でしょう」「まてまて、電子辞書だってすごいんだぞ!」そんな会議を脳内で行うこと数分。
ところが今、一番勢いを増している分野が「電子ピアノ」だと皆さんご存じだろうか?
今回はCASIOさんのご好意に甘えて、渋谷区初台にある本社ビル内のショールームにて特別に製品見学をさせていただいた。一般には公開していない、ショールーム。特別感たっぷりにその模様をお伝えしたい。
時計といったらCASIOでしょ歴30余年の興奮たるや…
まず冒頭でお伝えしたいのは、今回CASIOさんから「ちょっと遊びにきませんか?」とお声がかかったのは、これまで音楽を聴くための書斎や音楽家・ミュージシャンの方々へのインタビューなど音楽に関わる記事をアップしていたことがフックとなっている。
雑誌「男の隠れ家」や「男の隠れ家デジタル」の読者層と、CASIOさんが紹介したい製品の相性が良いと見込まれたからだ。
そこで諸手を挙げて「ぜひ! 行きます!」と即答したのには、訳がある。
筆者の人生の大半を占める30年以上にわたり、この左手に輝き続けるCASIOの時計たち。そう、筆者は生粋のCASIOユーザーなのだ!

生まれて初めて自分で買った腕時計はG-SHOCKのDW-5600VT。G-SHOCKらしい角型モデルでイエロー、ベゼルガード(プロテクター)が付いたタイプだった。大切にしていたが引っ越しのドタバタで失くしてしまったことに気づいた時は血の涙を流したものだ。
以降、G-SHOCKやDATA BANK、CASIOコレクション(通称:チプカシ、チープカシオ)の時計を気の向くままに愛用してきた。
いわばファンなのだ。CASIOさんのファン。ただただ好きなの。そんな憧れの人(?)に声を掛けられたら沸くってもんでしょう。
しかし、これは仕事! 平然を装い、いざ本社へ潜入!

やはり世界に名を轟かせる一流企業、セキュリティチェック&消毒をしっかり受け、受付の女性に朗らかに対応してもらい、2階にあるショールームへ。
何度も言うが、ここは一般に解放していないショールームなのだ。それだけで興奮もの。「ぐふぐふ」と漏れ出てきそうな心の声を必死にしまい、広報の奥田さんにショールーム内を案内していただく。
世界初の小型純電気計算機「14ーA」の1年半後(1959年5月)に発売された「14ーB」が堂々と鎮座する入口。初っ端から「博物館ですか?」の勢いである。


そこから「カシオミニ」(1972年)やクレジットカード電卓「SL-800」(1983年)、世界で初めて製品化されたデジタルカメラ「QV-10」(1995年、このカメラ持っていた!)といったレジェンド製品たちをくまなく見学し、ドキドキの時計エリアへ。
時計エリアではブランドごとにフラッグシップモデルたちが、惜しげもなくその美しさを発揮してディスプレイされている。
眩暈がしそうだ。あまりの興奮で全体像をカメラに残し忘れるという失態をかますほど。



だが今回の目的はあくまでも電子ピアノ「Privia」。ヲタク心を必死にしまおうとするあまり、必要以上に時計に対してクールな態度を取ってしまったことが悔やまれる。
でも、フラッグシップモデルのみんなはとにかくキラキラ(物理的にも)輝いていたことだけは、お伝えしておこう。

続いて世界で選ばれ続けている電卓コーナーへ。特にインドなどでは関数電卓の需要が多いのだとか。
理系ではなかったが謎の安心感を持って「電卓買うならカシオでしょ」と高校生の頃に親が購入してくれたことを思い出す。
特に興味深かったのは、防水・防塵が施された“洗える”電卓「WM-320MT」。飲食店などで重宝するという。心なしかG-SHOCK的な見た目が刺さる。
また、人間工学電卓「JE-12D-WE」の盤面は右下がりに傾斜がついていて、右利きの人に向けた新構造の操作性が2022年のグッドデザイン賞を受賞したモデル。


いやはや、こうして見学してみるとCASIOさんの製品造りは「時代をリードして、生活を豊かにする」アイデアであふれている。
樫尾忠雄さんが樫尾製作所を立ち上げなければ、今頃我々はまだソロバンを弾いていたかもしれない…。