太歳は神様の事でもある

この太歳、生活にも関わる存在だったからか神様として信仰される事もありました。
神としての太歳「太歳神」
太歳神を神とした「太歳神」とは、陰陽道における方位神のうちの一柱です。
同じく方位神にあたる太陰神の夫ともされています。
この太歳神は、木星の精として崇められていました。
樹木や草木の性質があり、在位する方角に植物を植えると吉、その方角の植物の伐採や草刈りをすると凶事となるとされてきました。
太歳神が司る方角
そして、太歳神の在位する方角は、その年の十二支の方位と同じ方角です。
これが、その年の干支の人を「太歳」と呼ぶようになった理由ともされています。
妖怪や霊薬ともされる「太歳」

太歳は、妖怪や霊薬としても扱われることがあります。
ここからは別角度から見た太歳について見ていきましょう。
妖怪の「太歳」
太歳は、中国では妖怪の一種ともされています。
これは地中に棲む怪物で、赤い菌のような肉塊の姿とされます。
しかも、人の言葉を話すとも言われています。
一説によれば、体中に数千もの目を持っているともいわれています。
この太歳は、土木工事をする際に土中で見つけても、決して掘り起こしてはならないとされています。
北宋時代にまとめられた「太平広記」という物語では、太歳を地下から掘り起こしたため、一族滅亡となったという説話が記されています。
実は、日本でも徳川家康が太歳に遭遇したとされています。
歴史書にも「肉人」という記載があり、これが太歳の事なのではとされています。
霊薬ともされる「太歳」
太歳は、霊薬と呼ばれることもあります。
霊薬における太歳は、マンネンダケ科のキノコのことなのだとか。
このキノコは、別名で「肉霊芝」とも呼ばれています。
見た目は、スライムやクラゲのようにブヨブヨとして奇妙なものとなっています。
色も茶色や黒色、クリーム色などかなりグロテスクです。
この太歳とも呼ばれるキノコ、かつては食べると不老不死になると信じられていました。
そのため、不老不死を求めた秦の始皇帝もこの「太歳」を探し求めていたとされています。