そもそも産休・育休が取りづらい、取った人の賃金や待遇が上がりづらいのは、子どもを柔軟に預けて仕事に打ち込める環境の整備が不足しているのはもちろんのこと、

・年功序列型で、キャリアに穴が空くことがマイナスになる雇用慣習 ・終身雇用が前提で、流動性に乏しい労働市場 ・組織風土としての産休育休への無理解

などがまず解決しなければならない原因であって、それを放置したまま「学び直しで資格などを取れば賃上げできますよ」など言うのは、さらに歪みを強くする・当事者に負担を押し付けるだけです。

会社に生涯忠誠を尽くす男性社員がロールモデルになっており、長期離脱をすると昇進・昇給の機会が奪われ、転職の機会もまだまだ乏しい日本の労働市場に対して、その流動性を高める努力を政治はまず行うべきです。

出産をする女性の給与が上がらない典型例。

私が労働市場(雇用)の流動化に徹底的にこだわるのは、実はこれが女性(&男女問わず子育て現役世代)が活躍するための起爆剤だからでもあります。

状況に応じて(出産育児などで)仕事を仮にやめても、ジョブ型で契約内容によってはまたすぐ戻ってこれる労働市場であれば、出産育児がここまで不利になることはないはずです。

ただ「居ること」をメンバーシップとして、組織に残っていればある程度ポジションも給料も上がっていき、上がつかえていたら若手が採用できないという労働環境の方が異常なのであって、岸田総理はここにこそ本気で改革のメスを入れるべきではないでしょうか。

岸田総理が所信表明で述べた「日本型職務給」とはいかなる制度を志向しているのか、ますます早く全容が知りたいものです。

私自身も子育て真っ只中の当事者議員として、予算委員会などを通じてその改善点を指摘し、あるべき労働市場と働き方の在り方を提言してまいります。

それでは、また明日。

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編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2023年1月28日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。