◆税収増も庶民生活は豊かにならなず
一方、行動制限が緩和されたことから、消費行動も促され大手企業収益が堅調に伸びたことにより都税収6兆2,010億、昨年に続き約5,702億円、10.1%も増加しています。これは、上場企業の多くが東京都に一極集中して本社があるからであり、ロシアによるウクライナ侵攻により不安定な世界経済を遠因とする物価高に、都民、中小零細企業は景気向上の恩恵を得ずに未だ苦しみの中にあります。令和5年度予算はまず、こうした日々の経営や生活に苦しむ市井の「都民ファースト」を組み立てるものでなければなりませんでした。
◆天下の愚策太陽光パネル義務化予算に注目
しかし残念ながら、にわかに都民生活に寄与するとは思えない「脱炭素社会実現施策強化」に今般1,800億円もの予算が計上されています。
「元環境大臣」に固執する小池知事は、岸田・自公政権に負けじと、2030年までのCO2排出量の半減、「カーボンハーフの実現」を標ぼう、知事を自縄自縛し、都民を犠牲にした拙速・杜撰な環境政策が展開されることとなったのです。
昨年の第4回定例会では、新築物件の屋根に太陽光パネル・充電設備の設置を義務付ける条例改正は、政府としては断熱化義務付けるにとどまっているにも関わらず、都議会自民党・自由を守る会が反対する中で功名を急ぎ強行可決されたことは、都民の自由を奪い財産権を侵害する天下の愚策、都政の汚点であると断言いたします。
◆海外よりも東京に目をむけるべし
「アフターコロナ」の首都東京を考えるときに、前述したように「都民生活の向上」を最優先すべきと考えます。目新しい事業に次々と手を出すのではなく、手堅い都政事業の点検見直しを講じるべきであるのに、相も変わらず小池都政は足元の東京ではなく、海外にばかり目が向いていることは大きな問題です。
実際に昨年は無担保無保証で1500万円を融資する「外国人起業家資金調達支援事業」は物議を醸し、全国民の批判が集まりました。現時点では事業計画認定と融資が出来ぬ状況に陥りながら「Tokyo Innovation Baseの整備」「海外ベンチャーキャピタル・アクセラレータの誘致」「創エネ・蓄エネファンド」…日々慎ましく生きる都民の何の助けになるのかサッパリわからない「世界経済をけん引する都市の実現」のために、性懲りもなく4,815億円も計上しています。
「世界」よりも先にまずは、「東京」の都民一人一人の経済・暮らしをけん引すべきです。