中川政七商店の化粧品に対する期待は高かった

化粧品の販売に対し、顧客からは非常に好意的なリアクションが返ってきたという。
「販売前にモニターを募集したところ、想像以上の希望者がいて期待値の高さを感じた。実際に使用した感想としては、中川政七商店の化粧品なら安心して使える、ゆずの香りに癒されるといったポジティブなものが多かった」
直営店での売上も好調で、予定していた販売量を大幅に超えているという。「購入者は元々の顧客の方が多い。メイクよりも基礎化粧品を重視し、シンプルな暮らしを好む40~50代の女性だ」
これまで扱っていなかったオリジナル基礎化粧品の販売だが、店舗での接客もスムーズだという。「化粧品に限らず、重点商品は商品ごとに接客シートがある。シートには、企画やデザインの意図や開発の背景などを記載し、全スタッフが自分の言葉でコミュニケーションできる状態を目指している。今回は化粧品なので、大げさに効果・効能をうたってはいけないなどの注意点も共有した。そして、自信を持ってお客さまにおすすめできるよう、全スタッフに化粧水のサンプルを渡して、自ら試す機会をつくることも意識した」
化粧水とクリームの2つを長く愛用してもらえるように、美容液などのアイテムを増やしていく予定はない。ただし、同カテゴリーで展開する工芸品のつげの櫛や爪磨きといった化粧道具は統一感が出るようにリニューアルした。
今後はいかにリピートにつなげるかが課題だ。「スキンケア商品は、定期的に必要とされるもの。リピートされれば、来店回数も増える。それによって、化粧品以外の暮らしの道具に触れる機会を生み出したいと考えている」
提供元・DCSオンライン
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