冬の暖房器具は、エアコンやストーブ、ホットカーペットなどさまざまだ。中でもこたつは昔から日本で広く使われていて、その他の暖房器具と比べると電気代が安いイメージも強いのではないだろうか。

しかし、ある調査によると、日本人のこたつ離れが進んでいる様子が伺えた。こたつの電気代に着目しつつ、国内のこたつ所持率を県別に解説しよう。

暖房器具の電気代比較

赤外線ヒーターの電気代

すぐに温まり、コンパクトで置き場所を選ばないメリットがある赤外線ヒーター、電気代は高いのだろうか。

「山善DC-W091」の消費電力(900W)を例に、1時間あたりの電気代を計算してみた。

450W(弱) 0.45kWh×1h×27円=12.15円
900W(強) 0.9kWh×1h×27円=24.3円

1時間あたりの電気代は約12~24円ほどになる。 ※27円は電力料金単価(kWh)

オイルヒーターの電気代

安全性の高さや空気を汚さないなどのメリットがあるオイルヒーターの電気代も気になるところだ。

遠赤外線ヒーターと同じ消費電力(900W)の「デロンギMDHU09-BK(6畳~8畳用)」を例に、電気代を計算してみた。

300Wで使用 0.3×1h×27円=8.1円
600Wで使用 0.6×1h×27円=16.2円
900Wで使用 0.9×1h×27円=24.3円

1時間あたりの電気代は約8~24円となった。

こたつの電気代は圧倒的に安い

その他、以下の暖房器具について、1時間使用した場合の電気代を見ていこう。

・こたつ弱:2円程度
・こたつ強:4円程度
・ホットカーペット:10円程度(3畳用)
・エアコン:20円前後(6畳用)

こたつ弱の電気代はエアコンの1/10ほど。特筆すべき安さと言ってもいいかもしれない。

こたつの所持率は北海道より沖縄県のほうが高い

こたつを使っているのは、どちらかというと寒いところというイメージがあるのだが、そうでもないようだ。こたつの所持率最下位は冬の寒さが厳しい北海道。所持率は23%だった。

北海道の場合、ガス・石油ストーブの使用率が83%と高い。またセントラルヒーティングなどで家全体を温める設備も多く使われるため、敢えてこたつで足元だけを温める必要はないのだ。

一方日本最南端の沖縄県では、こたつの所持率は30%と北海道より多い結果となっている。

床暖房を入れている家も多い

床暖房は、足元が冷えやすい人にとって必須設備だ。真冬にエアコンをつけていても暖かい空気は上にたまり、冷たい空気は下にたまってしまう。そのため、足元が冷えやすい人は床暖房で冬を快適に過ごすことができるだろう。

また、小さい子供がいる家庭ではヒーターを使いたくないところもあるだろう。子供がヒーターに触れてしまう可能性があるからだ。その点、床暖房なら安全に使用できるという点でメリットが大きい。

電気代が安いこたつの所持率が低下中

こたつは電気代が安く魅力的な暖房器具だ。しかし雪が降る寒い地域でもこたつをあまり持たない地域があるなど、所持率の低下がみられる。電気代的にもリーズナブルなこたつ。寒さが厳しすぎる地域では、あまり使われないようだが、ちょっとしたぬくもりが欲しいとき、スペースがあれば一台置いてみるのもいいかもしれない。

文・MONEY TIMES編集部