原子力のリスクは「期待値」で考える
笑えるのは、吉原氏が「事故の確率に損害をかけてリスクを計算する」というので、私が「福島では3基の事故処理コストが21兆円だから、1基7兆円。500炉年に1回という事故の確率をかけたらいくらになるのか」と質問すると、何をきかれているのかわからない(1:53~)。
これはリスクを計算して融資する信金の経営者としては信じられない。リスクは事故の被害に確率をかけた期待値で考えるのだ。
エネ庁の原発コスト計算では「事故リスク対策費用」0.3円や「政策経費」1.3円として計上されている。kWh単価でいうと2円弱で、今のエネルギー政策に織り込まれている。これが信金が融資するときも考えるリスク・プレミアムつまり金利である。損害保険もこういう確率計算で、原発にかかっている。
その確率の計算さえ知らないで「事故の確率がゼロでなければ原発は即時ゼロだ」という城南資金は、倒産する確率のゼロでない中小企業への融資はすべてやめるべきだ。
【追記】三浦氏がやけに再エネの細かい話にくわしいと思ったら、彼女の夫(三浦清志氏)はTribay Capitalという再エネファンドのマネージング・ディレクターだった。これはエネルギー政策を論じるようにみせかけたステマと疑われてもしょうがない。