三浦瑠麗氏の夫の経営する会社が、詐欺の容疑で東京地検特捜部の家宅捜索を受けました。それと関連する話がこの番組にあるので、2018年3月31日の記事を再掲します。

再エネが原発より安いならFITはやめろ

けさの「朝まで生テレビ!」は、3・11から7年だったが、議論がまるで進歩していない、というより事故直後に比べてレベルが落ちて、話が堂々めぐりになっている。特に最近「原発ゼロ」業界に参入してきた城南信金の吉原毅氏は、エネルギー問題の基礎知識なしにトンチンカンな話を繰り返して辟易した。

彼が「太陽光エネルギーは4円/kWhぐらいになって原発より安い」というので、私が「それならFIT(固定価格買い取り)で21円/kWhで買い取る必要はない。マーケットで競争すればいいでしょ」と質問すると、目が泳いでしどろもどろになった(1:03~)。三浦瑠麗氏も、私が同じ質問をすると、サウジアラビアがどうとか話をすりかえて逃げ回る。

固定価格買い取り制度(FIT)の太陽光買い取り価格(円/kWh)この答は簡単だ。図のように全量買い取り価格が当初40円に設定されたのは、再生可能エネルギーの価格が火力や原子力(10円)より高かった(20~30円程度)からだ。今は買い取り価格は21円に下がったが、吉原氏のいうように太陽光の原価が4円だとすると、原発より安いのだからFITは必要ない。飯田哲也氏も認めたように、ドイツはFITをやめて市場にまかせる制度になった。原発がマーケットで淘汰されれば「原発ゼロ」運動なんか必要ない。

おまけに彼は、雨の日にどうするか考えていない。メガソーラーの稼働率は13%。夜間や雨の日など87%は動いていない。この間は火力や原子力で同時同量の電力供給を維持するが、再エネはその義務を負わないフリーライダーだから安くなるのだ。

そのコストを負担したら、再エネの蓄電込みの電力単価は69~95円/kWhというのが資源エネルギー庁の計算である。このようなシステム統合費用が、主力電源になった場合の再エネの本当のコストである。